50ccのミニカーで日本一周の旅に挑戦している冒険家の朝倉くみこさん(33)=北海道出身=が7日、日高地方入り。真っ赤なボディーのかわいい車で国道42号を南下し、ドライバーらの話題となった。地域の情報をブログで紹介しながら、人との交流を楽しむ毎日で、和歌山は「温かい人ばかり」と感動。「わたしを見てチャレンジする精神を持ってほしい」とメッセージも送ってくれた。
北海道の高校を卒業してからこれまで30カ国で留学と旅を続けてきたが、「国内をじっくり見てみたい」と今回の旅を計画。「誰もやったことがない方法で」と最高時速55㌔のミニカーで挑戦することになり、昨年10月8日、東京の表参道から「所持金ゼロの一人旅」に出発した。ガソリンや食事は、店と交渉してトイレ掃除や窓拭き、皿洗いを手伝って提供してもらうギブ&テイクでゲットしながら、日本海側を南下。各地域のスポットをブログで紹介したり、人との出会いを楽しみながら沖縄、四国、山陽を通過して関西に入り、去る5日、30都府県目となる和歌山に到着した。
和歌山と有田で出会った人に泊めてもらい、7日に日高地方入り。正午ごろに御坊市役所駐車場に立ち寄ると、目立つミニカーを見つけた地元住民から「珍しい車やなぁ」と声をかけられ、気さくに会話を楽しんでいた。朝倉さんは「和歌山の人はすごく温かくて、きのうもテントで寝ようとしていたら家に招き入れてくれました」と笑顔。名田町や印南町の美しい景色、 みなべ町の梅畑などを見ながら紀南を目指した。
屋根なしのオープンカーで、雨やこれからの季節は暑さが最大の敵。「冬は沖縄で乗り切りましたので、本格的な夏を迎えるまでには北海道に入りたい」と、今後は三重から東海を通過して北上するつもりで、ゴールは秋ごろに予定している。「日本は隣近所のつながりが希薄化して冷たいのかなと思っていたが、温かい人ばかりだと再認識できたことが旅での一番の収穫。ゼロ円の旅なので、3日間飲まず食わずも覚悟していたのですが、皆さん親切で、差し入れしてもらうこともしょっちゅうあって、皆さんの支援のおかげですごく順調です」。応援してくれる多くの人に伝えたいこととして、「チャレンジすることで人との出会いが生まれる。わたしの姿をみて何かに挑戦する人が一人でも増えてくれればうれしい。わたしもこの旅を達成したら、次はヨットで世界を回りたい」と力を込めている。
朝倉さんのブログは、「ミニカーで日本一周」や「朝倉くみこ」で検索すれば見れる。「どこかで見かけたら気軽に声をかけてください」とPRしている。