東藝術瓦版111122(一般公開用):ちりめん

おはようございます。今日、私の職場は創立記念日で休みなのですが、今週末に中国・北京で開催される一大イベントのための準備で何人かの職員が出勤することになっています。私もそのうちの一人です。すでに今日から、中国の地方視察に向けて出発した組もあります。てんやわんやの職場ですが、東藝術瓦版は、そうした世間の雑音に惑わされず、配信し続けたいと思っています。
 
さて、先週日曜日に開催された浮世絵勉強会、その中の重要なテーマの一つが「クレポン」、「縮緬絵(ちりめんえ)」であることをご紹介しました。テレビの水戸黄門で、黄門様が「越後の縮緬問屋」と仮の姿として名乗っていますが、「ちりめん」とは絹を平織りにして作った織物のことで、布が縮んでいて、生地の表面に凹凸がついているのが特徴です。浮世絵(錦絵)にそのちりめんによく似た細かい凹凸の皺を施すよう加工したもので、江戸後期から明治期にかけて盛んに作られたようです。製造に手間がかかることや、浮世絵そのものを加工する性格上、元絵より量産することができないために、通常の浮世絵よりも希少価値であることは間違いありません。
 

五井野正博士は、「クレポン(crépon)とは仏和辞典で[片ちりめんの厚手のクレープ]と訳されているが、美術界でクレポンと言えば、版画を上下左右に縮めてちりめん状の版画にしたものを厚手の紙で裏張り補強して安定させたものを言う。元の版画と比べると小さく縮めた分だけ彩度が強くなり、絵柄も立体的になって油絵風の絵画に似てくる。ゴッホの書簡の中の古いクレポンとは、江戸時代の浮世絵をちりめん状にしたものである。明治版画のクレポンと違って鮮やかで紙質も色目も摺りも良く、しかも見た目は油絵のような質感がある。ゆえに芸術家の眼で見たら浮世絵よりも格段に素晴らしいものと感じるであろう」〔五井野正 著 「ゴッホの『向日葵』の復活」第二編より抜粋〕と解説されています。

私自身、これまでそのクレポンを所有したことはありませんでしたが、今回の勉強会で3枚綴りのうちのはぐれものの1枚ということで、アートメディアの計らいで、安価に入手することができました。心より感謝申し上げます。
 
そのクレポン風のタッチで描かれた五井野博士の「ひまわり」の絵が、いよいよアートメディアから販売されることになりました。通常の「ひまわり」も大変素晴らしいものですが、このクレポンタッチの「ひまわり」は特にエネルギーが凝縮されていることが一目で分かります。実際に、信州・大町の「ゴッホが愛した歌川派(浮世絵)美術館」で廣野社長からみせていただいたときには、そのパワーに圧倒されてしまいました。
 
今、その絵が東京・銀座の「タンギーギャラリー」に飾られていますので、ぜひご覧になることをお勧めします。
 
ところで、なぜ今、「クレポン」なのでしょうか? そういえば、五井野博士の月刊『ザ・フナイ』の論文の内容にも変化が見られましたが、それと大きく関係しているようにも思えます。
 
東藝術倶楽部事務局 広報担当 高見澤


 
http://www.artmedia-1.biz/shopping_pict.html
 

■五井野正画伯おすすめ作品のご紹介

 絵画のご注文・お問い合わせは、E-mailまたはTEL:03-6268-8033までお願い致します。

6本の向日葵(6号)

歌川正国(五井野正)
   \3,600,000

6本の向日葵(4号)

歌川正国(五井野正)
   \2,400,000

6本の向日葵クレポンタッチ(SM号)

歌川正国(五井野正)
   \2,000,000
4
,6,8,10,15号承ります。 (6070万円)

6本の向日葵クレポンタッチ(8号)

歌川正国(五井野正)
   \5,600,000
4
,6,8,10,15号承ります。 (6070万円)

 

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このページは、東藝術倶楽部広報が2011年11月22日 09:44に書いたブログ記事です。

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