けん銃訓練実施要領の制定について

平成13年12月17日
例規(教)第243号

この度、「けん銃射撃訓練実施要領の制定について」(昭和54年1月18日例規(教)第4号)の全部を改正し、別記のとおりけん銃訓練実施要領を定め、平成13年12月17日から実施することとしたので、適切に運用されたい。
別 記
けん銃訓練実施要領
第1 趣旨
この要領は、けん銃訓練要綱(平成7年3月6日警察庁丙教発第49号。以下「訓練要綱」という。)に定めるけん銃訓練の計画的かつ効率的な実施について必要な事項を定めるものとする。
第2 訓練責任者等
1 訓練責任者
警察官等けん銃使用及び取扱い規範(昭和37年国公委規則第7号。以下「規範」という。)第16条に規定する訓練責任者は、所属長とする。ただし、所属長が一般職員である場合は、次長又は副隊長とし、所属長及び次長が一般職員である場合は、警務部長が指定する警察官とする。
2 訓練推進責任者
訓練要綱第3の2の訓練推進責任者は、次に掲げる所属の区分に応じ、それぞれに定める者とする。ただし、(1)に定める者が、一般職員である場合又は前記1のただし書の規定により指定された訓練責任者である場合は、訓練責任者が指定する警察官とする。
(1) 警察本部の所属 次長又は副隊長
(2) 警察学校 副校長
(3) 方面本部 副方面本部長
(4) 組織犯罪対策本部 副本部長
(5) 警察署 副署長又は次長
3 訓練立会責任者
訓練要綱第3の3の訓練立会責任者は、次に掲げる所属の区分に応じ、それぞれに定める者とする。ただし、これによることができない場合は、訓練責任者が指定する警察官とする。
(1) 警察本部の所属、警察学校、方面本部及び組織犯罪対策本部 管理官、所属長補佐、隊付、中隊長、科長及び補佐官の職にある警察官のうちから訓練責任者が指定する者
(2) 警察署 総務課長
4 訓練指導者
訓練要綱第3の4の訓練指導者は、訓練責任者が、原則として、けん銃操法技能検定上級位を有する警部補以上の階級にある警察官のうちから、後記第9に規定するけん銃訓練指導者講習を修了する等、指導者として適性があると認めて指定する者とする。
5 実射訓練指揮官
訓練要綱第3の5の実射訓練指揮官は、教養課長及び警察学校長が所属の警察官のうちから、けん銃訓練指導者講習を修了し、かつ、けん銃操法技能検定上級位を有する警部補以上の階級にある警察官で、指揮能力があると認めて指定するものとする。
第3 けん銃訓練の対象者
けん銃訓練の対象者は、警察官とする。
なお、次に掲げる者は、けん銃の使用の可能性の高い職務に従事する警察官として、けん銃重点訓練対象者(以下「重点訓練対象者」という。)とする。
(1) 地域警察官
(2) 機動捜査隊員
(3) 機動隊員
(4) 組織犯罪対策本部員
(5) 刑事部門において、強行犯捜査、特殊犯捜査、盗犯捜査、暴力犯捜査、銃器事犯捜査、薬物事犯捜査又は国際捜査に従事する者
(6) 生活安全部門において、銃砲刀剣類事犯捜査に従事する者
(7) 警備部門において、公安事犯捜査、外事事犯捜査又は警衛・警護に従事する者
(8) 直轄警察隊員
(9) 前記(1)から(8)までに掲げる者以外の者で、自動式けん銃を貸与されているもの
(10) その他教養課長が必要と認めた者
第4 けん銃訓練の実施回数
けん銃訓練は、訓練対象者を重点訓練対象者及び一般訓練対象者(重点訓練対象者以外のけん銃訓練の対象者をいう。以下同じ。)に区分し、実包による射撃訓練(以下「実包射撃訓練」という。)、特殊訓練弾による射撃訓練(以下「特殊訓練弾射撃訓練」という。)及び使用判断訓練を次の表のとおり実施する。
なお、同表は、訓練の実施回数の最低基準を定めたものであるので、適宜回数を増やして実施するものとし、学校教養及びけん銃訓練指導者講習において実施されたけん銃訓練は、実施回数に含むものとする。
区分
実包射撃訓練
特殊訓練弾射撃訓練
使用判断訓練
重点訓練対象者
1年2回
1年1回
1年2回
一般訓練対象者
1年1回
1年1回
1年1回
第5 実包射撃訓練の実施
実包射撃訓練は、次により実施するものとする。
1 年間射撃訓練計画
警務部長は、毎年11月30日までに、次の事項を内容とする翌年の年間実包射撃訓練計画を策定し、所属長に示達するものとする。
(1) 実施場所
(2) 所属別・月別訓練人員
(3) その他訓練実施上必要な事項
2 月間実包射撃訓練計画の通知等
(1) 教養課長は、年間実包射撃訓練計画に基づき、訓練実施予定日等を内容とする月間実包射撃訓練計画を策定し、前月の20日までに所属長に通知するものとする。
(2) 所属長は、前記(1)による訓練実施予定日のうちから希望する日を選び、各日別の訓練参加人員を前月の27日までに警務部長(教養課)に電話報告しなければならない。
なお、教養課長は、所属から報告のあった訓練参加人員について、同一日に希望する所属が重複する等予定人員を超える場合にあっては、所要の調整を行うものとする。
3 訓練参加者の派遣
(1) 訓練責任者は、訓練参加者の派遣日ごとに訓練参加者のうちから引率責任者を指定し、訓練参加者の事前教養を訓練指導者に実施させるものとする。
(2) 引率責任者は、けん銃実包射撃訓練参加者名簿(別記様式第1号)を作成の上、訓練参加当日、教養課の実射訓練指揮官に提出するものとする。
4 実包射撃訓練経過の通知
教養課長は、各所属の訓練員の派遣の参考とするため、けん銃訓練の対象者の12月31日時点における最近の実包射撃訓練の年月日を、翌年の2月20日までに所属長に通知するものとする。
第6 年間訓練実施計画の策定
訓練責任者は、所属における翌年の特殊訓練弾射撃訓練及び使用判断訓練の実施計画を毎年12月末日までに策定するものとする。
第7 特殊訓練弾射撃訓練の実施
特殊訓練弾射撃訓練は、次により所属において実施するものとする。ただし、方面機動警ら隊、鉄道警察隊、交通機動隊及び機動隊を除く警察本部の所属並びに方面本部及び組織犯罪対策本部(以下「特定所属」という。)のけん銃訓練の対象者については、別途計画により教養課において実施する。
1 訓練の内容
特殊訓練弾による訓練要領(訓練要綱別紙4)により実施するものとする。
2 訓練場所の確保及び危害防止
道場、講堂、車庫等を利用して訓練場所を確保し、訓練に当たっては、跳弾等による危害の防止に努めるものとする。
3 訓練推進上の留意事項
(1) 訓練に当たっては、厳正な規律の下に実施するとともに、規範第14条に定めるけん銃の安全規則、訓練要綱別紙4の5に定める訓練実施上の留意事項を厳守すること。
(2) 訓練参加者個々の射撃技能を把握し、特に実包射撃技能の未熟な者に対しては、基本射撃を併用して訓練を行う等、射撃技術に応じた訓練内容とするように配意すること。
(3) 訓練に当たっては、単に技能の向上のための訓練のみにとどまらず、職務執行に当たり、自信をもって適正なけん銃の使用ができるよう、使用判断能力の養成に努めること。
4 特殊訓練弾の使用状況の把握及び適正保管
訓練責任者(特定所属の訓練責任者を除く。)は、特殊訓練弾使用記録簿(別記様式第2号)を備え付け、特殊訓練弾の使用状況を記載するとともに、適正な保管に努めなければならない。
第8 使用判断訓練の実施
使用判断訓練は、所属において現場に即したけん銃使用訓練要領(訓練要綱別紙7)による訓練及び映像射撃訓練ビデオを用いた訓練等を実施するものとする。
第9 けん銃訓練指導者講習の実施
警務部長は、所属におけるけん銃訓練の指導者の育成を図るため、けん銃訓練指導者講習を別途計画により実施する。
第10 訓練状況の把握
1 訓練状況の記録
訓練指導者(複数の訓練指導者が指定されている所属にあっては訓練責任者が指定する訓練指導者、訓練指導者の指定がない所属にあっては訓練責任者が指定する者)は、自所属の警察官(初任科生を除く。)個々について、毎年の当初にけん銃訓練実施状況記録票(別記様式第3号。以下「記録票」という。)を作成し、年間のけん銃訓練の実施状況を記録するものとする。
2 効果的な訓練の実施
訓練責任者は、所属警察官個々のけん銃訓練の実施状況を記録票により確実に把握し、効果的なけん銃訓練の実施に努めるものとする。
3 異動時の引継ぎ
所属長は、所属警察官が他の所属に異動するときは、その異動する日の属する年の記録票を異動先の所属長に送付するものとする。
なお、記録票は、その記録に係る年の翌年1年間保存するものとする。
第11 月間訓練実施結果報告
特定所属にあっては月間の使用判断訓練の実施結果を、特定所属以外の所属にあっては月間の特殊訓練弾射撃訓練及び使用判断訓練の実施結果を特殊訓練弾射撃訓練・使用判断訓練実施結果報告書(別記様式第4号)により、翌月の10日までに警務部長(教養課)に報告するものとする。