大飯原発 専門委報告書案を了承6月10日 20時13分
関西電力大飯原子力発電所の運転再開を巡り、福井県が設置した原子力の専門家などが参加した委員会が開かれ、「安全は確保できている」とする報告書の案が、了承されました。
報告書は11日にも西川知事に提出され、西川知事は原発を視察をしたうえで、今週中にも運転再開を判断するものとみられます。
福井県おおい町にある大飯原発の3号機と4号機の運転再開を巡り、福井県は、原子力や耐震工学の専門家などが参加した、県原子力安全専門委員会で、政府が確認したとする安全性を独自に検証しています。
10日の委員会は、開始前から運転再開に反対する市民グループが警察官らともみ合いになり、すべての委員が別室に移動し、傍聴人を入れない状態で、予定よりおよそ1時間遅れで始まりました。
委員会で示された報告書の案では、政府が決めた新たな安全基準について、「現時点で知りうるかぎりの知見を反映している」と評価したうえで、大飯原発の安全性について、「福島第一原発の事故を教訓に想定される地震や津波が襲っても、原子炉の安全を確保するための対策はできている」と結論づけています。
このほか、国や関西電力への要望として、国の新たな規制機関の早期発足や、万が一の事故への備えを十分に確保することなどを挙げています。
委員会は午後7時50分ごろに報告書の案は了承されました。
報告書は表現の一部を中川英之委員長が調整したうえで、11日にも西川知事に提出され、西川知事は原発を視察をしたうえで、今週中にも運転再開を判断するものとみられます。
福井県の原子力安全専門委員会の中川英之委員長は「わたし自身はもっと早く結論が出ると思っていたが、委員によってさまざまな考え方があり、それなりの時間がかかった。今は少し安心している」と述べました。
そのうえで、報告書について「きょう出た意見を反映する必要があるが、大きな変更はないと考えていて、できるだけ早く福井県に報告したい」として、表現の一部を調整する作業を急ぐ考えを示しました。
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