※下記はベンチャー通信47号(2012年5月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
―御社の事業内容について教えてください。
須田:一言でいえば、モバイルやスマートフォンに特化した広告業です。一般にネット広告というと、PC向けが中心になりますが、ソーシャルゲームでの展開を含め、モバイルにはまだまだ未開拓の領域があります。まずはこの分野でシェアを獲得し、ゆくゆくは※ASPやネットワーク関連へも手を広げていければと考えています。発足して4年の若い会社ですが、クライアントは全国に100社以上、年商は10億円を超すところまできました。
―急成長の理由は何ですか。
須田:当社は、技術者をすべて自前で抱えています。サーバーまわりからシステム関連まで、あらゆる作業が社内で完結するのです。こうして、お客さまのニーズに迅速に応える実現力、営業担当と社内専門家の連携による提案力がもたらされます。いわば「手」と「頭」の反応速度が、当社の最大の強みです。
―なぜ、モバイル広告の分野で起業したのですか?
須田:広告業界というのは、人と人とのつながりがあれば、独立は比較的容易です。初期投資もそれほどかかりません。ただし、並みいる同業者の中で一歩抜きん出るのは、なかなか大変なことですが。私は以前、大阪市内の会社でネット広告の営業をしていたのですが、自社媒体だけでは売上拡大に限界があるため、他社媒体の広告仲介も手がけるようになりました。この手法が軌道に乗るにつれ、「もっと自由で、自分の理想を実現できるような会社を創りたい」という想いが強くなったのです。そして、2008年に独立し、当社の設立にいたったわけです。
―須田さんにとって「理想の会社」とは、どのような会社でしょうか。
須田:取引先の方々も含めて、企業の財産は「人」です。組織の内外を問わず、「人に高い満足度をあたえる会社」でなければならないと思います。企業の成長も、新たな事業展開も、人財あってこそですから。最近、尊敬する経営者の方に勧められて※山本五十六について勉強し、たいへん参考になりました。たとえば、「やって見せ 言って聞かせて させてみて 褒めてやらねば 人は動かじ」という言葉があります。うちの社員は20代がほとんどですが、彼らを「褒めて動かす」ことの重要性は、日々痛感させられるところです。私自身、大口のクライアントを一社担当していますが、あとは基本的に部下に任せ、後方支援に徹しています。私の仕事は、まずお手本を示したうえで、彼らに気持ちよく働いてもらえるようサポートすることですからね。
―今後の御社のビジョンについて教えてください。
須田:まずは、今年の夏に※アドネットワーク事業に参入する予定です。広告媒体を集めて束ねるこのやり方は、モバイルには特に適しています。数値的な目標としては、1年後に月商3億円を見据えています。いずれ未上場代理店の中でトップの地位を狙いたいですね。上場には企業のステータスを高め、資金調達をしやすくするメリットがあります。ただ、幸い当社に資金面の不安はありません。また、私たち自身広告業界の端くれとして、独自のブランディングを行っていく自信があります。少なくとも現段階で上場を目指すメリットは感じません。当社が目指すのは、あくまでも地に足をつけた成長です。
※ASP:企業等の顧客に対し、インターネット経由でアプリケーションソフトをレンタルする事業者のこと。
※山本五十六:帝国海軍を代表する軍人の一人(1884~1943)。連合艦隊司令長官として第二次大戦初期の戦線を指揮した。
※アドネットワーク:広告媒体となるサイトをネットワーク化し、受注した広告を一括配信する手法。複数の媒体を束ねることで、トータルで高い広告閲覧率が可能になる。
- ■プロフィール
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1982年、大阪府生まれ。2005年に大学卒業後、大阪のインターネット関連会へに入社、自社運営サイトの広告営業に従事する。2008年4月、モバイル広告代理店として株式会社AAAagencyを立ち上げ、代表取締役に就任。わずか4年間で同社を年商10億円のベンチャーへと導いた。
- ■経営者データファイル
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■お名前:須田 昌宏
■生年月日:1982年3月6日
■出身:兵庫県
■身長:174cm
■体重:71kg
■平均睡眠時間:6時間
■平均起床時間:午前9時
■家族:妻、子供
■趣味:ダイビング、ゴルフ
■乗っている車:ワーゲン トアレグ
■おススメ本:『7つの習慣』スティーブン・R. コヴィー(著)
■今までに訪れた国:10カ国
■座右の銘:失敗とは挑戦しない事である。
■購読雑誌:PRESIDENT
■尊敬する人:稲盛和夫さん
■今日の財布の中身:52000円
■好きな食べ物:和食・韓国料理

■設立/2008年4月
■資本金/1,000万円
■売上高/10億円(2012年3月期見込み)
■従業員数/20名(アルバイト含む)
■事業内容/広告代理・企画事業、メディア・コンテンツ運営事業、システム販売・開発事業
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