Q.「いもり」と「やもり」のどっちがどっちだかわかりません
両爬ファンの皆さんなら信じがたいでしょうけど、一般の方にとっては「
イモリ」と「
ヤモリ」って、どちらがどちらなのか区別がつかないらしいんですよ。
というか、普通の生活の中で見分ける方法を知っておく必要があるのかどうか疑問なんですが。
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| どっちがどっちかわかりますね?(画像にカーソルを合わせると答えが出ます) |
でも、確かに私なども職場の飲み会とかで、よく聞かれる話題ではあります。
きっとみんな一度は覚えたんだろうけど(中学校1年の「理科1分野上」で勉強することになっています)、どうでもいいことなので忘れちゃうんでしょうね。
ただ、この手の質問には2種類あることに気づきます。
つまり
1.目の前にいる「生き物」が「イモリ」なのか「ヤモリ」なのかを知りたい
2.そもそもイモリとヤモリはどっちが両生類でどっちが爬虫類なのかがわかるようになりたいの2種類です。
で、私の回答。
A.「井守」だから水の中、「家守」だから家の中
1.の質問の回答は簡単です。
「
おなかが赤いのが『イモリ』、赤くないのは『ヤモリ』」
と、イモリの決定的な体色の特徴を、実際の個体で確認すればいいだけです。
もちろん、イモリには
・おなか以外全身が黒い
・尾が側偏している
・爪がないなどなどの特徴が他にもあります。
またヤモリには
・まぶたがない
・爪がある
・指の裏側が垂直面に貼り付くことができるようになっている
・尾は側偏しない
・全身に鱗があり、大きい顆粒状の鱗が散在しているなどなどの特徴もあります。
ただ、何よりもイモリのおなかは基本的に真っ赤であることが見間違うことのない識別点であることは間違いないでしょう。
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| 上:イモリのおなか |
| 下:ヤモリのおなか |
一方、2.の質問の答えはやっかいです。
その人が爬虫類とは何ぞや?両生類とは何ぞや?ということをどれくらい知っているかが大きなポイントになります。
もちろん、それを論じ始めたらキリがないのですが、この説明をするときに必要なポイントを上げるとするならば
・両生類は皮膚呼吸、爬虫類は肺呼吸という大まかな傾向を押さえることが肝要です。
これを理解できれば
「
両生類は皮膚呼吸をするから皮膚が湿っていなくてはいけない」
という結論が導き出されます。
したがって「いもり」と「やもり」では
「
皮膚が湿っている方が『両生類』」
という「原則」が成立します。
ここで「漢字表記」の登場です。
「いもり」は漢字で書くと「
井守」つまり
「
水の中に棲んでいて『井戸を守っている』から『井守』」
一方、「やもり」は漢字で「
家守」つまり
「
家の中に棲んでいて『家を守っている』から『家守』」
よって
「
両生類で皮膚呼吸をするから体を湿らせるために井戸に棲んでいるのが『井守(いもり)』、皮膚呼吸を行わなう必要がないから乾燥している家の中に棲んでいる『家守(やもり)』が爬虫類」
もちろん。この説明は絶対ではなく、両爬には当てはまらない例外もありますが、少なくとも「アカハライモリ(ニホンイモリ)」と「ニホンヤモリ」に関しては当てはめて良いでしょう。
特にヤモリは、ハエやガなどの「不快害虫」を食べてくれるわけですから「家守」とはよく言ったものです。
<関連サイト>
びっきぃとやまどじょう(日本の両生類全種の図鑑)
じゃぷれっぷ(日本の爬虫類全種の図鑑)
<関連記事>
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