原発事故知らず避難8割 国会事故調アンケート
河北新報 6月10日(日)6時10分配信
福島第1原発事故で避難区域が設定された福島県双葉郡など12市町村の住民のうち、政府が昨年3月12日朝に10キロ圏の避難を指示する前、原発事故発生を知っていた住民は20%に満たないことが、国会事故調査委員会(黒川清委員長)のアンケートで9日分かった。
多くの住民が地震と津波しか知らないまま突然避難指示を知り、浪江町などでは避難する前よりも放射線量の高い地域へ住民が避難してしまったことが裏付けられた。
委員会は取りまとめ中の報告書で「東京電力が原発の冷却機能喪失を伝えてきた時点で、政府は事態の急速な悪化を想定した情報提供を行うべきで、危機管理の見直しが必要」との提言を行う。
集計結果によると、3キロ圏の避難指示が出た11日午後9時23分時点で、第1原発がある大熊、双葉町で事故発生を知っていたのは住民の14%。20キロ圏の外にある川俣町や飯舘村では2〜3%と低かった。範囲が10キロ圏に拡大した12日午前5時44分時点でも、認知度が比較的高かった大熊町民で21%、双葉町民の20%が知ったにすぎない。
12日は夕方にかけて認知度が高まったが、20キロ圏に指示が出た12日午後6時25分時点でも、飯舘村は36%、川俣町は47%で、他地域の88〜58%に比べ低かった。
アンケートは、ことし3〜4月に避難者2万1000世帯を無作為抽出して郵送で行い、1万633世帯の回答を得た。
最終更新:6月10日(日)6時10分
Yahoo!ニュース関連記事
- 原発付近の7割超の住民が避難繰り返す映像(日本テレビ系(NNN)) 2時35分
- <福島第1原発>周辺6町の7割が転居4回以上写真(毎日新聞) 9日(土)22時38分
- <国会事故調>「官邸介入で混乱」福島原発の初動対応批判(毎日新聞) 9日(土)21時51分
- 「官邸の過剰な介入」原発事故の避難に混乱招く(読売新聞) 9日(土)21時30分
- <福島第1原発>避難者帰還、20年後も8%困難 政府試算(毎日新聞) 9日(土)21時23分