大飯原発 国論二分のなか再開へ6月8日 23時12分
野田総理大臣は8日夜、記者会見し、関西電力大飯原子力発電所について、「国民の生活を守るため、再起動すべきというのが私の判断だ」と述べました。
福井県の西川知事は、この発言を評価して、来週にも福井県として同意する方針で、大飯原発は、国論が二分されるなかで、運転再開される見通しになりました。
大飯原発について、福井県の西川知事は、先に細野原発事故担当大臣に対し、野田総理大臣が運転再開の必要性を直接、国民に訴えるよう求めました。
これを受けて野田総理大臣は8日夜、記者会見し、「原子力発電を今止めてしまっては、また止めたままでは、日本の社会は立ち行かない。関西の15%もの需給ギャップは、現実的には極めて厳しいハードルで、突発的な停電が起きれば、命の危険にさらされたり、仕事が成り立たなくなる人、また働く場がなくなる人も出てくる」と述べ、運転再開の必要性を訴えました。
そして「国民の生活を守るために、大飯原発を再起動すべきというのが、私の判断だ。そのうえで立地自治体の理解を改めてお願いしたい。理解いただいたところで、再起動のプロセスを進めたい」と述べ、福井県とおおい町の同意を得て、速やかに運転を再開したいという考えを示しました。
これについて、福井県の西川知事は8日夜、「わが国における原子力発電に対する政府の基本的な考えと総理の強い思いを、国民に向けてしっかり語っていただいたものと、重く受け止めている」というコメントを発表し、運転再開に向けた政府の姿勢が明確に示されたと評価しました。
西川知事は、来週にも福井県として同意する方針で、大飯原発は国論が二分されるなかで、運転再開される見通しになりました。
東京電力福島第一原発の事故以降、定期検査に入った原発は順次、運転を停止し、先月には国内で運転中の原発がなくなる「原発ゼロ」の状態となっていました。
野田総理大臣は、記者会見で「政府の安全判断の基準は暫定的なものである」とする一方で、大飯以外の原発についても「大飯同様に引き続き丁寧に個別に安全性を判断していく」と述べ、今後、安全性が確認されれば運転を再開したいという考えを示しています。
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