いのの焼き肉店放火:懲役10年を求刑 検察「極めて悪質」−−論告公判 /高知
毎日新聞 2012年06月08日 地方版
論告で、検察側は「捜査段階から社員に責任を転嫁する供述を行い、動機も身勝手で全く反省していない。放火は近隣住民らを危険にさらし極めて悪質」と厳しく指摘。溝渕被告が社員らに経営について細かく指示したり、暴力を振るって言いなりにさせていたことなどから、「一連の事件の中心人物は溝渕被告。社員らが無断で犯行に及ぶことはあり得ない」とし、共謀の事実は無かったと主張する溝渕被告の弁解を「到底信用できるものではない」とした。
これに対し弁護側は、共謀したとされる社員らの証言にかみ合わない点があること、実際は飲食店の収支がさほど悪化していなかったことなどを挙げ、「助成金返還を求められたから詐欺を行ったというのは、検察が作った後付けの理由に過ぎない」と主張。助成金詐欺の一部は罪を認めた一方、保険金目当ての放火と保険金詐欺未遂、ひったくりを偽装した保険金詐欺は無罪を主張した。【最上和喜】