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「快眠ビジネス」快走 節電…寝苦しさを商機に

産経新聞 6月9日(土)15時14分配信

「快眠ビジネス」快走 節電…寝苦しさを商機に
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就寝時に照明を徐々に暗くするなどの設定ができるホテルグランヴィア大阪の客室=大阪市北区(志儀駒貴撮影)(写真:産経新聞)

 今夏の眠りの対策、考えていますか−。節電でエアコンの設定温度を上げるなど寝苦しい夏が予想されるなか、“快眠ビジネス”が広がっている。快適に体感温度を低くできるエアコンや、安眠に効果的な音楽を流すホテルなどが登場。電力不足で厳しさを増す節電事情が、睡眠ビジネスにも変化をもたらしている。(板東和正)

 「今年の夏は省エネはもちろん、別のアプローチでも快適な眠りをサポートしたい」。エアコン大手のダイキン工業の広報担当者はこう力を込める。同社はセンサーで寝返りの回数などを測定し、睡眠の深さに応じて自動的に温度を調節できるエアコン用のコントローラーを発売している。「眠りの状態によって体が求める温度は違う。眠りに応じてエアコンの温度を調節すれば、節電にもつながる」(広報担当者)という。また、湿度や気流を制御することで、設定温度に比べ体感温度を低くできるエアコンも発売。夏の家庭で最も消費電力が大きいエアコンだが、節電で設定温度を高くしても快適に眠れるとして好評だ。

 ホテル業界も、夏の宿泊客に心地よい眠りを提供しようと工夫を凝らす。電力不足が「集客にどの程度影響を及ぼすのか予測が付かない」(ホテル関係者)だけに、積極的な対策を取っている。ホテルグランヴィア大阪(大阪市北区)は、就寝時に照明を徐々に暗くして寝付きやすくしたり、安眠に効果的な音楽が自動的に流れたりする部屋を10部屋以上用意した。今年4月からは、梅酒や焼酎などを寝酒として無料で提供するプランも実施している。寝苦しい夏を逆手にとって、集客につなげようとする試みだ。

 眠りは現代人の“悩みの種”だ。オムロンヘルスケアなどが昨年、約1200人を対象に実施した睡眠に関する調査によると「よく眠れる」と回答した人は全体のわずか35・9%だった。不眠が体調不良につながるケースも多く、眠りへの関心は高まっている。同社は今年4月、枕元に置くだけでセンサーが睡眠中の体の動きを測定し、実際に眠った時間を計れる機器を発売した。毎日のデータを同社に送信し、日々の睡眠時間の推移をグラフにするサービスもあり、生活習慣を見直せるという。東レ経営研究所の増田貴司・産業経済調査部長は「夏の節電で日本人の睡眠環境は悪化する可能性があり、その分、快眠ビジネスは拡大する」と、分析している。

最終更新:6月9日(土)19時14分

産経新聞

 

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