素粒子ニュートリノの速さが光を超えたとする実験結果について、この結果を公表した名古屋大などの国際共同実験「OPERA」チームが8日、京都市で開催中の「ニュートリノ・宇宙物理国際会議」で「誤りだった」との検証結果を報告した。昨年秋の公表以来、アインシュタインの相対性理論を覆すとして話題を呼んだが、約8カ月で撤回された。
OPERAチームによると、速度の計測に使った全地球測位システム(GPS)とコンピューターをつなぐ光ファイバーケーブルの接続が緩んでいるのが公表後に判明。この影響でニュートリノが実際より速く測定されたとみて5月に2週間の検証実験を実施した。その結果、ニュートリノが光速を超える結果は得られなかったという。同日記者会見した小松雅宏・名古屋大准教授は「(超光速の結果は)ケーブルの緩みが原因」との見解を示した。
この日、欧米など他の3チームも検証結果を報告。いずれもニュートリノと光の速度に明確な差はなかったとした。
OPERA実験は、3種類あるニュートリノが、光速近い速さで移動する際、別の種類のニュートリノに変わる現象を観察するのが本来の目的。欧州合同原子核研究所(CERN、ジュネーブ)から人工的に作ったニュートリノを発射して約730キロ離れたイタリア・グランサッソ国立研究所でとらえる実験を繰り返したところ、移動速度が光より1億分の6秒速いという分析結果が出た。アインシュタインが提唱した「光以上に速いものはない」とする相対性理論を否定する結果が関心を集めていた。【河内敏康】