NHK宮城県のニュース 仙台放送局
「巨大缶詰」一転解体へ
石巻市で津波に流され、路上に横たわっている巨大な缶詰の形をしたタンクは、所有している水産加工会社が、震災を伝える記録として保存する方針でしたが、被災地で土木工事費が高騰していることなどから保存を断念し、月内にも解体することになりました。
解体されることになったのは、石巻市の県道の中央分離帯に横たわる高さ10.8メートル、直径9メートルの巨大な缶詰の形をしたタンクです。
タンクは、地元の水産加工会社が油を貯蔵していましたが、津波でおよそ300メートル離れた現在の場所に流され、震災を物語る象徴的な存在として知られるようになりました。水産加工会社では、当初、このタンクを会社の敷地に移し、震災を伝える記録として保存する方針でした。
しかし被災地では、工事費が大幅に上昇していて、この水産加工会社が、▼工場を復旧するための費用も当初の見込みより30%程度増えたほか、▼タンクの移動にかかる費用も想定より高くなることから、タンクの保存を断念しました。
タンクは今月末にも解体し、一部は、事務所で使うイスや机に加工することにしています。
タンクを所有する「木の屋石巻水産」の木村隆之副社長は「震災を伝える記録としてタンクを残せないのは残念だが、工場の再建を優先せざるを得ない」と話しています。
06月08日 19時39分
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