韓国の代表的な従北(北朝鮮追従)団体とされる祖国統一汎(はん)民族連合(汎民連)南側(韓国側)本部の幹部が8日、法廷で裁判長に「犬野郎、お前はもうすぐ死ぬ」などと暴言を吐きながら、裁判長に向かって突進するという騒動が起きた。
この日午前10時ごろ、ソウル市瑞草区瑞草洞のソウル高裁505号法廷で、汎民連南側本部のイ・ギュジェ議長(76)とイ・ギョンウォン前事務処長(46)、チェ・ウンア宣伝委員長(39)の3人に対する控訴審が行われた。3人は2003年以降、日本や中国を拠点に活動する北朝鮮工作員から在韓米軍撤収闘争などの指示を受けていた(国家保安法違反)として、昨年12月の一審で実刑が宣告された(チェ容疑者は執行猶予)。3人は判決を不服として控訴していた。
控訴審は、汎民連の幹部や会員とみられる30人以上を含む、計60人が傍聴する中で行われた。ソウル高裁刑事11部のパク・サムボン裁判長がまず判決を言い渡し、その直後に判決文を読み上げようとすると、傍聴席は大騒ぎとなった。
騒動の口火を切ったのは、汎民連編集委員長のチェ・ドンジン被告だった。
▲パク・サムボン裁判長「被告人のイ・ギュジェに懲役3年6月と資格停止4年、同じくイ・ギョンウォンに懲役4年と資格停止4年をそれぞれ宣告する」
▲傍聴席「もっと大きい声で言ってくれ」
▲警備員「静かにしてください」
▲チェ・ドンジン被告「(裁判官席をにらみつけながら)実刑ですか、執行猶予ですか。正確に話してください。判決はどうなのか、正確に言ってください」
▲警備員「(チェ被告を制止しながら)外に出てください」
裁判所の事務官や女性の警備員がチェ被告の両脇をつかんで外に連れ出そうとすると、チェ被告は「何をする。あれが判決だというのか」と叫んだ。傍聴席からは「手を離せ」などと叫ぶ声が聞こえた。