ここから本文エリア

現在位置:朝日新聞デジタルマイタウン熊本> 記事

がれき説明会 質問放置

2012年06月09日

写真

県内の市町村から約100人の担当者が出席して開かれた説明会=4月25日、益城町のグランメッセ熊本

  東日本大震災で生じたがれきの広域処理を求め、環境省九州地方環境事務所が4月に県内の市町村などを対象に開いた説明会で、事務所側が「後日回答する」とした複数の質問に対応せず、1カ月以上放置していたことが分かった。出席者からは「国は本気でがれきの処理を求めていたのか」との声が上がっている。

  同事務所廃棄物・リサイクル対策課は取材に対し、質問を本省に照会するなどせずに放置していたことを認め、「多忙で対応していなかった。大変申し訳ない」と釈明。できるだけ早く回答したいとしている。

  説明会はがれきの広域処理について、蒲島郁夫知事が国への説明を求めたのに応じ、同事務所が4月25日に益城町で開催。市町村の担当課職員ら約100人が出席した。事務所側は被災地のがれき処理が進んでいない現状を示したうえで、「受け入れには国がしっかりとサポートしたい」などと理解を求めていた。

  しかし、会場の質問に事務所側が答えられない場面が相次ぎ、「資料がない」「ホームページを見て」などの説明に終始。「実害が生じた場合、国の責任をどう考えるか」「熊本までのがれき運搬費はいくらか」など、少なくとも6項目については「調べて後日回答する」としていた。
 がれきを処理した全国の施設のうち、民間施設の割合を質問した菊池市の担当者は「市内に民間施設があり、全国の状況を把握しておきたかった。国は説明の義務があるのではないか」と困惑する。回答がなかったため、2週間前には県にも問い合わせたという。

  別の自治体の担当者からは「被災地では仮設の焼却炉が造られている。本当にがれき処理を依頼する必要があったのか」「質問に対して迅速に対応せず、熱意が感じられない」などの声が上がっている。

  蒲島知事は5月の会見で説明会について「十分な説明が行われ、市町村の理解が得られたとは考えていない」と発言。県は国側の回答を待ったうえで、必要に応じて今後も説明を求めていく考えを示していた。

  震災がれきをめぐっては環境省が5月に岩手、宮城両県の広域処理の必要量が当初の想定から4割減ったと発表。ただし、事務所側は「状況は変わったが、広域処理をお願いすることには変わりはない」とし、今後も受け入れへの理解を求めていきたいとしている。(安倍龍太郎)

  除染の強化やがれきを使った防潮堤の設置を訴える山内知也・神戸大教授(放射線計測学)の話 環境省が質問を放置していたのは熊本でのがれき処理の必要性を真剣に考えていないからだろう。処理を依頼しておいて、一体何のための説明会だったのか。広域処理の必要量は大幅に減り、前提条件が変わった。がれきを受け入れた自治体では混乱が生じており、輸送には多大なコストがかかる。中止も視野に入れ、広域処理を見直す時期に来ているのではないか。

PR情報
朝日新聞購読のご案内

ここから広告です

広告終わり

マイタウン地域情報

ここから広告です

広告終わり