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石巻がれきの試験焼却 北九州市民、多くは冷静

 北九州市で実施された石巻市のがれき試験焼却が25日で終わった。搬入時は反対派の抗議行動で混乱したが、がれき広域処理に関する地元団体の調査では7割が受け入れに肯定的だった。多くの市民は放射能への安全確保を前提に、被災地支援につながるがれき処理を冷静に受け止めているとみられる。

 「放射能がれきNO!」。試験焼却前日の22日朝、石巻市のがれきを積んだトラックが北九州市の保管施設を目前に立ち往生した。受け入れ反対派約40人が横断幕を掲げて立ちはだかり、搬入は夕方まで持ち越された。
 反対運動の中心となってきた門司区の主婦村上聡子さんは「被災地を助けたいと思うが、コロコロ変わる国の放射能基準への不信と、市の説明不足に怒っている」と批判の矛先を行政に向ける。特に、市民が自由に参加できる説明会が試験焼却前に開かれなかったことを問題視している。
 反対派の行動に、複雑な思いを抱く市民も少なくない。「抗議の様子を映像で見た被災地の方はどう思うのだろう。胸が苦しくなる」と門司区の主婦(35)。2人の子どもには「安全なら、助け合いの気持ちは大切だよね」と話している。
 がれき受け入れに賛成69.7%、反対8.4%。北九州青年会議所が3月、市民737人を対象に実施したアンケートは賛成派が大幅に上回った。回答では「痛みは分かち合うべきだ」「積極的に協力すべきだ」など受け入れに前向きな意見も寄せられた。
 調査結果を踏まえ、青年会議所の小田剛理事長(36)らは3月22日、広域処理を後押しする提言書を市に提出した。
 提言に先立ち、宮古市のがれき仮置き場を訪れた小田理事長は、山積みとなった家財道具などに衝撃を受けた。「10年も20年も地元に任せたままでいいのか」との思いを強くしたという。
 小田理事長は「安全ながれきの処理が被災地の助けになるなら、受け入れるべきだ。反対派ばかりが注目されるが、多くの市民は極めて冷静に考えている」と強調する。


2012年05月26日土曜日


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