名張毒ぶどう酒事件の奥西死刑囚 入院先で手錠
弁護団、名古屋拘置所に中止申し入れ
名張毒ぶどう酒事件で、名古屋高裁に7度目の再審請求を棄却され、27日に発熱で外部の病院に救急搬送された奥西勝死刑囚(86)が入院先のベッドで手錠をかけられているとして、弁護団の鈴木泉団長らが29日、「極めて不当、非人道的であり、使用を中止すべきだ」と名古屋拘置所に申し入れた。
鈴木団長によると、28日に病院を訪れた際、ベッドに寝ている奥西死刑囚の右手に金属手錠が、もう片方の手錠は縄を通じて刑務官の左手にかけられていた。ベッドの周囲には4人の刑務官が常時監視役として付いていた。
体温は36度8分に下がっていたが、抗生剤入りの点滴と鼻からの酸素吸入がされていた。
手錠の使用を拘置所側に問いただすと「法律に従ってやっている」との返答だった。刑事収容施設・被収容者処遇法は「護送する場合」と「逃走、自分や他者を傷つける、設備や器具を壊す恐れがある場合」に手錠の使用を認めている。拘置所側は「拘置所を出てから戻るまでが『護送』に当たる」と説明したという。
鈴木団長は、弁護団に入ってからの30年間で初めて、アクリル板越しではなく生身の奥西死刑囚に触れた。30日に特別抗告することを告げると「ありがとうございます。頑張ります」と答えた。
弁護団は30日午後、最高裁への特別抗告の申立書を名古屋高裁に提出する。
法に基づいて使用
名古屋拘置所総務部長の話 個人のプライバシーに関することなので答えられない。入院先での手錠使用は一般的に被収容者処遇法に基づいて行っている。
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