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寝取られSS 「人類繁殖法違反」4  (「最狂の寝取られとは?」スレより)



137 :23 ◆bxyzd8gFCE :03/10/12 23:36 ID:hDMIQ307

(1/10)

「あ……」

カーテンの隙間から射す朝の光で佐紀は目を覚ました。

「暑っちぃ……」

のろのろと身を起こす。
見渡すと、そこは自分の部屋ではなく居間。
どうやらTVを見ながら眠ってしまっていたらしい。

「……あ」

はっと気が付き、慌てて辺りを見回す。
窓を開け、外の様子を確認する。

風景。
町並み
道行く人々。

……特に変わった様子はない。

ぽりぽりと頭を掻き、しばし考える。

「……そうだ、新聞!」

思い立ち、佐紀は台所の新聞立てを目指した。


138 :23 ◆bxyzd8gFCE :03/10/12 23:38 ID:hDMIQ307

(2/10)

「あら佐紀、今日は特に早いのね」

台所では佐紀の母親が朝食の支度をしていた。
新聞立てには…朝刊は無かった。

「母さん、朝刊、朝刊は!?」
「父さんが寝間で読んでるけど」

方向転換し、両親の寝室へ。
寝室にはまだ寝巻き姿の父親がいた。

「父さん、朝刊、朝刊は!?」
「おう佐紀か。これ見ろよ。でかでかと載っているぞー」

父親に促され、新聞を覗き込む。
そこには……


『連続老婆誘拐事件、犯人逮捕』


でかでかと載っていた。


139 :23 ◆bxyzd8gFCE :03/10/12 23:43 ID:hDMIQ307

(3/10)

「あ、あれ?」

新聞をくまなく見回す。
が、昨日の会見のことは一言もかかれてはいなかった。

「そ、そんな……」
「やっとこさ解決したか。この事件も長かったからな」
「そ、そうじゃなくて! 会見は? 宇宙人は!?」
「……何言っとるんだお前」
「だって、昨日各局合同会見って……」
「んなモンは無かったぞ」

佐紀は愕然とした。
昨日、確かに見た。
泉総理の会見。
異星人との接触があったこと。
そして映し出された宇宙人……

その後、佐紀は念のために昨日の新聞を確認した。
しかし、そこにはいつも通りのTV欄があるだけだった……


140 :23 ◆bxyzd8gFCE :03/10/12 23:45 ID:hDMIQ307

(4/10)

「サーキーくんー…… おはよぉー……」

いつにも増して眠そうな優菜といつもの地点で合流する。
佐紀は彼女に会ったらいの一番にあの事を聞くつもりでいた。

「成瀬さん、昨日夜はTV何見た?」
「んー?」
「7時ごろ、さ……何見た?」
「漫画読んでた」
「そ、そう……」

どうやら優菜はあの番組を見ていない様子だった。
だったら一体昨日の会見は何だったんだ?
自分は夢でも見たんだろうか。
いつもと変わらない朝の光景……
それでも佐紀は納得できずにいた。

「で、サキくん。今日は3倍? 標準?」

いつも通りの優菜の質問。

「そうだな…… 今日は倍速にしようかな」
「何それー」

とりあえず佐紀は昨日のことは忘れることににした。
今は練習に専念しよう。
せっかくの優菜との時間。
楽まなくっちゃ損だ。
そう自分に言い聞かせることにした。



142 :23 ◆bxyzd8gFCE :03/10/12 23:48 ID:hDMIQ307

(5/10)

「じゃ、後でね」
「うん」

学校に到着後、佐紀は優菜と更衣室前で別れた。

「チャーッス」
「やあ、佐紀じゃないか」

爽やかな美声。
更衣室には水泳同好会会長・伊集院輝がいた。

「君は今日も泳がないのかい?」
「え、ええ」
「まぁ、うちは同好会だ。楽しくやれればそれでいいんだけどね」
「はい」
「でも泳ぐのは楽しいよ」
「……」
「って言っても僕は25mまでに沈んじゃうけどね。アハハハハッ」

佐紀と会話しつつも輝はてきぱきと服を脱いでいく。
脱いだ服を丁寧に畳み、きちんとロッカーにしまう。

「会長は相変わらず几帳面ですね」
「いや、どうせ帰りにはしわくちゃなんだから、今くらいは丁寧に扱わないと」

輝らしい台詞だった。
自分の体型のことを自覚したような自虐的な台詞。
それでも悲壮感がないのは輝の性格からくるものだろうか。


143 :23 ◆bxyzd8gFCE :03/10/12 23:55 ID:hDMIQ307

(6/10)

「じゃ、君も早く来たまえよ」
「はい」

最後のブリーフを畳み終え、輝はプールへと向かった行った。

「会長もあんなに卑屈にならなくてもいいのに」

黙々と着替えを続ける。
輝は人望も厚く、成績もいい。
運動も水泳以外はそつなくこなす。
顔の造りも悪くないほうだろう。
それでも輝は自分が太っていることを異常に卑下するのだ。

「やっぱ引け目を感じるのかな……」

そんな事を考えていた時、

「はて」

ある疑問が佐紀の脳裏をかすめた。
でも、はっきりと確認した訳でもない。

「……ま、いいか」

疑問を振り払い、佐紀は無造作にトランクスをロッカーに放り込んだ。
そしてサポーターと競泳用の水着を身に付け、輝の後を追った。


144 :23 ◆bxyzd8gFCE :03/10/12 23:57 ID:hDMIQ307

(7/10)

「今日も暑いな〜」

薬液槽を抜け、シャワーを浴びる。
今日も日差しはきつく、泳ぐにはうってつけだった。
それでも佐紀は泳ぐことをしようとしない。

「でも、水浴びくらいならいいかな」

この学校のプールには、ひざ位までの浅いプールが併設されている。
近所のプールの無い小学校の生徒が泳ぎに来るからだ。
あれくらいの深さなら佐紀も大丈夫なのだ。

「うん、そうしよう」

そんな事を考えてるうちに佐紀はプールへとたどり着いた。

「あ、サキくーん、こっちこっちー」

プールに入った瞬間、きつい日差しが佐紀を襲った。
一瞬、目が眩む。
しかしその向こうで優菜が呼んでいる以上、佐紀は怯む訳にはいかないのだ。

「って、おおげさか」

自分に突っ込みつつ、佐紀は優菜の元を目指した。

さあ、今日も優菜との楽しい一時が始まる。
みんなが泳ぐ中、一人筋トレをしているのも何だか寂しい気もするが、
隣に優菜がいてくれるなら、それでいい。
そう思えた。


145 :23 ◆bxyzd8gFCE :03/10/12 23:59 ID:hDMIQ307

(8/10)

「成瀬さーん」

声のした方を見る。
が、そこには優菜の姿は無かった。

「あ、あれ?」

一瞬、混乱する佐紀。
そこへ……

「わっ!」
「うわあああああっ!!」

ザバッ、と。

いきなり海面から優菜の顔が飛び出してきた。
思わず佐紀は尻餅をついてしまう。

「プッ、アハハハハッ!!」

してやったりな表情の優菜。
まだ佐紀の心臓はバクバクといっている。

「お、お、驚かすなよっ!」
「ごめんごめん。でも…プッ、そんなに、アハ、驚くなんて〜」

笑いが堪え切れないのだろう。
優菜の言葉の端々に笑い声が混じっていた。


146 :23 ◆bxyzd8gFCE :03/10/13 00:03 ID:1i9Pb/P2

(9/10)

「ちぇ」

ぷぃ、とソッポを向く佐紀。

「拗ねないでよ。今日も腹筋カウントしてあげるからさ」

そう言ながら優菜がプールから上がってきた。
ひたひたと水を纏った足音が近づいてくる。
そしてそれは佐紀の後ろで止まった。

「謝るからぁ〜」
「……」
「怒んないでよぉ〜」

間延びした優菜の謝罪には、相変わらず誠意が全くこもっていない。
が、佐紀はこの甘ったるい優菜の謝り方に非常に弱かったりした。

(これも惚れた弱みか)

徐々に顔が緩んでいくのがわかる。
これ以上は怒りがもたないだろう。

観念して佐紀は優菜の方に向き直った。

「ったく、成瀬さんは……」
「ん?」
「成瀬さん……は……」
「私が、何?」


147 :23 ◆bxyzd8gFCE :03/10/13 00:05 ID:1i9Pb/P2

(10/10)

佐紀の目の前に、見慣れないモノが2つ。
いや、違う。
見慣れてはいるのだ。
確かに見慣れてはいるのだ。
しかし見慣れているのはあくまで写真や映像のそれだ。
だから、今ここにあるそれは、見慣れないモノなのだ。
なのだなのだ。


「どうしたの?」


不思議そうに覗き込む優菜。

その拍子に、その豊かなバストがぷるっ、と揺れた。




彼女は、全裸だった。






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