株式会社ニコン・取締役社長 木村眞琴殿
株式会社ニコン・映像カンパニーフォトカルチャー支援室 御中
ニコンサロン事務局 御中
2012年6月1日
日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)
日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)
安世鴻写真展『重重~中国に残された朝鮮人元日本軍「慰安婦」の女性たち』を予定通り開催することを求める要望書
来る6月26日から新宿ニコンサロンで開催される予定の安世鴻写真展『重重~中国に残された朝鮮人元日本軍「慰安婦」の女性たち』を中止しますとの貴社から発表されたことに対して、私たち「日本ビジュアル・ジャーナリスト協会」(JVJA)は予定通り同写真展を開催することを強く求めます。
安世鴻氏に対する、突然の一方的な中止通告・発表は、世界的に著名な「Nikon」の名に背く、社会的に誠意ある対応ではありません。また中止する「具体的理由」もこれまで何も示されていません。同写真展を中止する理由として貴社が挙げられている「諸般の事情」「総合的な判断」等の理由は、開催中止を説明する理由として到底理解できるものではなく、同写真展主催者・撮影者はもちろんのこと、私たち写真・映像表現に携わる者としても、絶対に受け入れられるものではありません。
一部報道では「写真展開催に抗議を呼び掛ける書き込みがネット上であった」とされています。こうした抗議に対して貴社がどのような対応・判断をされたのかはこれまで明らかにされていませんが、貴社ニコンサロンの選考委員会が審議した結果を受けて、開催することを承諾・決定・告知した写真展示を、何らかの外部からの抗議や圧力を受けて自粛・中止するような対応を仮にしたとすれば、憲法で保障された「表現の自由」「言論の自由」を損なう行為です。
写真展会場は誰もがその写真を鑑賞できる施設で、その写真を自由に論評・批評できる公共的空間としての役割も担っています。貴社ニコンサロンの公式ホームページに記載された「写真文化の普及・向上を目的とする写真展示場」「多くの写真家・写真愛好家の方々に写真活動の場を提供してきました」貴社の歴史と社会的責任を鑑みても、今回のような一方的な中止通告・発表は極めて残念な行為と言わざるを得ません。
貴社の中止発表を撤回し、同写真展を予定通り開催することが、ニコンサロンとしての安氏らへの誠実対応であると同時に、プロ・アマを問わず写真表現に携わるすべての者とニコンサロン写真展来場者に対する誠実な対応であると私たちは考えています。それは写真表現のみならず、人間のあらゆる表現活動に対して、貴社が取るべき社会的な責任ある対応ではないでしょうか。
私たちは安世鴻氏の写真展に対する、今後の貴社の対応・発表に注目し続けます。
以上
日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)
〒101-0063 東京都千代田区神田淡路町1-21静和ビル2F
TEL 090-6101-6113 office@jvja.net
共同代表(佐藤文則・綿井健陽・国森康弘)会員(森住卓・古居みずえ・土井敏邦・山本宗補・豊田直巳・林克明・桃井和馬・野田雅也・小林正典・権徹)
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