4年後の2014年ブラジルW杯に向けて動き始めた日本サッカー界に激震が走った。
続投が濃厚とされた日本サッカー協会の犬飼基昭会長が1期2年で退任することになり、小倉純二副会長が会長職に昇格したのだ(写真右から2人目)。
犬飼氏は2022年W杯招致委員会の委員長を務めるなど2期目に意欲を見せていただけに、続投は既定路線と見られていた。犬飼氏自身が健康不安によって退任を申し出たという協会側の説明はあったが、事前に行なわれた理事による次期会長の信任投票で犬飼氏が過半数を獲得できていなかった、との確かな情報もある。
これまで協会内部で犬飼氏の急進的な改革路線に反発する声は少なくなく、犬飼氏が主張していたJリーグ秋春制への移行については特にその声が大きかった。昨年、Jリーグ将来構想委員会が時期尚早として「移行見送り」を決定して犬飼氏に報告したものの、時を経ずして犬飼氏が再審議を要請するなど、Jリーグ側との対立がクローズアップされたこともあった。この秋春制移行の問題と今回の交代劇が無関係だとはどうしても思えない。
国際派・小倉新会長が秋春制を推す理由とその解決策。
会長に就任した小倉氏は2002年のワールドカップ招致に尽力し、現在もAFC理事、FIFA理事を務める日本サッカー界きっての国際派として知られる。その小倉氏は就任会見の席で秋春制に対して自らの見解を示している。
「私は犬飼さんと一緒にこの問題に取り組んできた。FIFAの理事ですからインターナショナルマッチカレンダーの設定にもかんでいて、FIFAの組織はあくまで欧州中心で日程も決まってくる。日本代表チームがきちんと戦えるにはどういうことがあったらいいのか。今の日程であればJリーグもあるし、アジアの大会もあるし、過密になって選手の休むときがない。それをどうするかという問題がある。
北は北海道から南は沖縄まで、季節にかかわらず試合のできる環境が整っていれば、これにこしたことがない。でも今はその設備がない。芝の下にヒーターができ、屋根でカバーしたグラウンドができるとか整えば冬でも(練習や試合を)やっていける、そういう環境ができたらいいですよ。可能になれば、やるべきだと思う。ただ現実はJリーグのクラブは経営責任を負っているし、無理強いはできない。タイミングを待って、試合の環境を整えていくのが第一。プロジェクトとして取り組んでいく必要があり、シーズン制はフレキシブル(柔軟)に考えるべきだ」
小倉氏も秋春制移行には基本的に賛成のスタンスを取る。ただ、“急進的移行”を図ろうとした犬飼氏とは違い、時間的な猶予を考慮に入れた“漸進的移行”を目指しているものと思われる。
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