もんじゅ:試験計画1億円発注 存廃論議中に原子力機構
毎日新聞 2012年06月08日 15時00分
運転が再開されれば、40%の電気出力で発電に必要なタービンなどの性能を確認する「40%出力試験」に入る。原子力機構は今年3月、40%出力試験のうちタービンを動かすための水・蒸気系設備の性能試験などについて、計画書の作成をプラントメーカーの東芝と三菱重工業に計約1億円で発注していた。原子力機構の担当者は「原子力政策が決定された後、速やかに運転を開始するため計画書を作成している。政策決定前でも可能な範囲で試験運転の準備を進めた」と説明している。
文科省は先月23日、原子力委員会新大綱策定会議で廃炉を含む四つの選択肢を提示し、もんじゅ存廃の本格的な検討が始まった。一方、もんじゅは同28日、落下して損傷した炉内中継装置が原子炉容器に据え付けられ、今月中旬に完全復旧する見込み。文科省の担当者は計画書作成の発注に「試運転再開ありきのものではないと考えている」と話している。
NPO法人「原子力資料情報室」の伴英幸・共同代表は「存廃論議がある今の段階で、40%出力試験に向けた支出は無駄で言語道断だ」と指摘している。【柳楽未来】