何となく思いついたこと、目についたことをツラツラと…。
プロフィール
高木圭介
昭和44(1969)年6月4日、神奈川県川崎市生まれ。神奈川大学レスリング部を卒業後、1993年に東スポ入社。プロレス&格闘技、社会、レジャーなどを担当後、現在は特集部所属。 2006年10月、本紙携帯サイト「東スポ芸能」のスタートと同時に当コラムはスタート。2009年10月から晴れて、紙面でも連載開始。世の中の重箱の隅を愛する〝長期連載〟。
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010:例え神の名においても~徳川セックス禁止令色情大名
2006年11月22日

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      <2006年11月=東スポ携帯サイト「映画マニア堂」より>


 徳川セックス禁止令色情大名(鈴木則文監督=昭和47年・東映)


 一応は18禁のポルノ映画。だが、全編を彩る女性の裸や拷問シーンに興奮するというより大爆笑の映画だ。このくだらなさ、滑稽さが光るのは、やはりフィルム撮りの映画ならではだ。

 舞台は江戸時代。九州唐島藩の藩主・小倉忠輝(名和宏)は大の女嫌い。織田信長に心酔し、ヒマさえあれば武芸に精を出すカタブツ男。どのぐらい女嫌いかと言うと、入浴中に世話をしようとする湯女を完全拒否し、刀で斬りかかるほどだ。

 そんな鉄板童貞・忠輝が、エロ将軍として知られる徳川家斉の娘・清姫(どう見ても生娘には見えない杉本美樹)と結婚が決まったから、さあ大変。一夜漬けでセックスの知識を身につけ、家老の知恵と奇策で何とか初夜を乗り切った忠輝だったが、その後はいきなり没交渉…。

 見かねた家老(殿山泰司)と清姫の乳母(三原葉子)がセックス指南に乗り出し、ついには豪商・博多屋(渡辺文雄)の力を借り、南蛮渡来の女たちを使って性の手ほどきに乗り出す。この時「生きた仏蘭西人形」として忠輝に送られたのが、処刑された宣教師の娘・サンドラ(サンドラ・ジュリアン=フランスの人気ポルノ女優)だった。

 サンドラと3日3晩ヤリまくった忠輝は、すっかりと性の悦びに目覚めてしまい、これまでの無骨な童貞人生を後悔…。 「下々の者たちも、こんな気持ちの良いことをしていたのか?」と庶民のセックス事情を知り、大きなショックを受ける。

 後悔とショックは怒りと嫉妬に化け、ついには「男女の交わりを一切禁止する。このような法令は徳川(幕府)では思いつくまい。ハッハハハ」とご乱心。突然の「セックス禁止令」により、京唄子と鳳啓助は初夜を、大泉滉扮する役人によって、寸止めストップ。庶民のフラストレーションは積もりに積もって、藩の存亡を揺るがす大騒動に発展していくという素敵なファンタジーだ。

 その後も拷問にかけられるサンドラ。流暢なフランス語を操り、サンドラをワインプレイ、言葉責めする渡辺文雄(さすが東大卒)。裸で海岸や菜の花畑を走る杉本美樹とサンドラのイメージシーン、そして妙に耳に心地よい荒木一郎の音楽(挿入歌はサンドラ・ジュリアンの歌う「ジュテームはサヨナラのはじまり」…笑)。セックスをした罪により妻を切腹させ、その夫に首を斬り落とさせ
る残酷首チョンパ。キリスト像の前で手篭めにされたサンドラが十字架で渡辺文雄の右目を突き刺し殺害。海岸で逆さ磔にされ処刑されるサンドラ。などなど神をも恐れぬ不届きでハチャメチャなシーンが、これでもかと連発される。

 サンドラの死によって忠輝はあっさり改心。セックス禁止令を解く。清姫と濃厚なセックスに溺れるも腹上死というオチで映画は終わる。

 が、最後の最後に画面には「あらゆる生命の根源たる性を 支配し管理検閲する事は 何人にも許されない 例え神の名においても-」と大仰な字幕が…。ここだけ見ると文部省推薦の啓蒙映画だよ!

 それにしても、これは「徳川セックス禁止令」ではなく「小倉忠輝セックス禁止令」ではないのか? 徳川将軍家は別にセックス禁じてないし…。


ネタになる!!
えー!?異議あり!!





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