酒田市:飛島常駐医不在 「遠隔診療」めど立たず 契約は「医師派遣」のみ /山形
毎日新聞 2012年06月08日 地方版
今年4月から常駐医が不在となった酒田市の離島、飛島の新医療体制が暗礁に乗り上げている。市は新たな常駐医を募集する一方で当面、「医師派遣」と「遠隔診療」の2本柱で乗り切る考えだったが、遠隔診療について医療機関の同意が得られないためだ。遠隔診療の業務委託契約のめどは立たず、医師派遣契約のみようやく5日、正式調印した。新医療体制から2カ月余り。前任常駐医の「継続」の申し出を退け、島民が納得しないまま始まった新体制の不安は増している。【佐藤伸】
市は日本海総合病院(同市)の協力で4月から新医療体制に移行した。4〜10月は医師16人が交代で1人ずつ毎週金、土曜に島に渡り対面診療する▽11〜3月と、荒天で医師派遣ができない際はテレビ電話を使い、島と同病院を結ぶ遠隔診療で対応する▽遠隔診療は5月中旬に導入−−などの内容だった。
市はこの内容を3月に島民に説明し、当時の常駐医だった杉山誠医師(76)の継続希望を採用せず、新体制にかじを切った。市議会の同意を得て医師派遣費用960万円や遠隔診療用機材300万円などを予算化した。