野田佳彦首相は8日夕、記者会見を行い、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働の必要性を国民に訴える。福井県の西川一誠知事が、首相がエネルギー政策上、再稼働が必要なことを説明するよう求めており、知事の同意を得るには記者会見を開くことが必要と判断した。
政府内では、4日の内閣改造時の記者会見で再稼働の必要性を訴えたため、再度の会見に否定的な意見が強かった。しかし、首相は西川知事の求めに応じなければ、電力需要が増大する夏場に再稼働が間に合わないと判断。7日に枝野経済産業相らと協議し、記者会見の開催を決めた。
首相は記者会見で、大飯原発の安全性が確保されていることを訴えるとともに、再稼働により夏場の電力確保や日本経済全体の発展につながると説明し、国民や福井県側に理解を求めることにしている。
改めて記者会見を開くのは、西川知事が4日の細野豪志原発事故担当相らとの会談で「日本経済全体のために再稼働が必要だ、と首相が国民に直接表明することが安心につながる」と述べ、首相が記者会見で説明する内容を踏まえて同意するか判断する考えを示していたためだ。
8日の首相による記者会見を受け、西川知事は再稼働への同意を決断する見通し。県やおおい町の同意手続きが順調に進めば、政府は来週中にも首相と枝野幸男経済産業相ら関係3閣僚の会合を開き、再稼働を正式決定する運びだ。