佐賀県武雄市の新図書館構想と地元市民問い掛けの顛末は
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佐賀県武雄市における新図書館構想というものがある。民間企業であるカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)に業務委託することで利便性・先進性・コストダウンをウリにしようとする構想だ。ところがこの構想を発表した段階において、いろいろと識者からは問題点の提示がなされる [ *1 ] 。そもそもの発端は「TSUTAYA を運営している CCC に任せることで個人情報の取り扱いはどうなるのか」という部分。

去る 2012/05/04 に行われた『武雄新図書館構想発表記者会見』というものがあるのだけど、議会承認がまだの段階で市長が公表した『9つの市民価値』という提言がありました [ *2 ]

  1. 20万冊の知に出会える場所
  2. 雑誌販売の導入
  3. 映画・音楽の充実
  4. 文具販売の導入
  5. 電子端末を活用した検索サービス
  6. カフェ・ダイニングの導入
  7. 「代官山 蔦屋書店」のノウハウを活用した品揃えやサービスの導入
  8. Tカード、Tポイントの導入
  9. 365 日、朝9時〜夜9時までの開館時間

セキュリティ関係者および図書館関係者の琴線に触れたのは特に8番目。前者は「個人情報の取り扱いに関する懸念」を表明し、後者は『図書館の自由に関する宣言』を元にした異論。その後、指定管理者制度における手続きにおける疑問であるとか、公が私を恫喝するという事件 [ *3 ] であるとか諸々の問題が表面化したのだけれど、ともかくの問題は未だに「関係者からの具体的な情報」が何も流れてこないこと。

議会決定がまだとは云えおおっぴらに宣伝される CCC との提携において、周囲が疑問を呈した『Tカードの扱いと個人情報のの取り扱い』に関して、それがどのようになるのかは何も公表されていないのであった。この部分に関しては CCC が責任を持ってどのようにするのかを公表しないとダメなのではないかと私は考えているところ。具体的な話がないままにあれこれを話が進み、時が過ぎているのがいちばんの問題。

さて本題。

先に書いた部分を含めての疑問や思うトコロを、先日佐賀県武雄市在住の方(なつきさん)がエントリとして書きました [ *4 ] 。そのエントリはいろいろなところで取り上げられて読まれたと思うのですが、同日夜には削除され、それが読めなくなります。そして日が変わるころには Twitter のアカウントも鍵付きとなり、フォローされていない方には読めなくなりました。彼のブログの他のエントリも通常では読めなくなっています。

なつきさんの書いた文章は武雄市民として至極まっとうな疑問を中心とした問いかけの文章だったので、削除されたという状況をみて何が起きたのかすぐにはわかりませんでした。どちらにしても状況から考えるに自発的に削除されたことは明らかで、それが何を意味するかは少し考えないといけませんでした。

エントリが読めなくなった件に関して書いていると、とある別の方からダイレクトメッセージが入りました。曰く「実名でいろいろ動いていると探りが入ります」とのこと。どうにもこの武雄市における新図書館構想においては、少しでも疑問を持って行動するといろいろと調べられるらしいですね [ *5 ] 。もしかしてなつきさん、裏でいろいろとあったんじゃないでしょうか。そうでなければ、この急な展開の理由が見つからない。

一市民の言論封殺にまで発展するとなると、とても困った状況となりそうです。

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  1. 武雄新図書館構想 問題点のまとめのまとめ – Togetter』や『武雄市図書館関連まとめのまとめ #図書館 #takeo #武雄 – Togetter』で概要は掴めるかも。 []
  2. 【テキスト起こし】武雄新図書館構想発表記者会見 – Google ドキュメント』を参照のこと。 []
  3. 自分用:ひろみちゅ先生×武雄市長 – Togetter』を参照のこと。 []
  4. Time on cent. / なつきのつぶやき : 武雄市図書館についての雑惑(とりあえず)。』ですが、現在は削除されていて読めません。 []
  5. ここは具体的に書けと言われても書けませんから、信用するしないはお任せします。 []

dullahan

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