神戸港の定期遊覧船ヴィラジオ・イタリア号が国土交通省に届けた運休期間を過ぎても運航を再開せず、海上運送法に反する「無届け運休」となっている問題で、運航業者の神戸リゾートライン(兵庫県播磨町)は7日、航路の廃止届を国交省に提出し、受理された。
ヴィ号は、神戸港の中突堤に係留。ポートアイランド、神戸空港を結ぶ定期船として2007年に就航した。海賊船をイメージした外観が特徴で、1日に約10本運航していたが、乗客数の低迷などで経営が悪化していたという。
自動車の車検に当たる「船舶検査」の期限が切れた1月、業者側は国交省神戸運輸監理部に3月末までの運休を届けたが、4月に入っても運航は再開されず、無届け運休の状態となっていた。
関係者によると、経営者は「事業を続けたい」との意向を示していたが、資金繰りが難航。船が差し押さえられ、再開を断念したという。
運航業者は、神戸市に支払う係船料(岸壁使用料)も滞納していたが、市は「分割で支払うことで合意し、入金もされている」としている。(山岸洋介)
(2012/06/07 23:28)
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