東日本大震災:犠牲者の似顔絵公開で身元判明…宮城県警
毎日新聞 2012年06月05日 20時37分(最終更新 06月05日 21時11分)
東日本大震災で亡くなった身元不明の犠牲者の似顔絵を宮城県警がホームページ(HP)で公開したことがきっかけで、同県女川町の男性会社員(当時44歳)の身元が5日、判明した。男性の遺族は県警を通じ「身元が分かりありがたい」とのコメントを出した。
県警が5月31日、遺体の写真から生前を推測した似顔絵20人分をHPに掲載すると、5日までに20件の問い合わせが相次いだ。
身元が確認された男性は、同町清水町の自宅で津波に襲われ、震災から15日後に発見。遺体の損傷が激しく、写真を見た遺族も男性と分からず、身元不明のまま火葬されていた。
公開された似顔絵を見て、男性の妹と勤務先の社長が県警に連絡。DNAと歯型の鑑定で身元が確定した。似顔絵を描いた県警鑑識課員は「非常にうれしい。似顔絵で一人でも多くの犠牲者が家族の元に帰ってほしい」と話していた。
同県内の身元不明者は5日現在で201人。県警は7月末までに計70人分の似顔絵をHP(http://www.police.pref.miyagi.jp)で公開する。【竹田直人】