(cache) 前島密への書?発見 来月29日まで記念館に展示 - 47NEWS(よんななニュース)
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  •  江戸時代後期の郡山出身の儒学者・安積艮斎(ごんさい)が、「日本郵政の父」と呼ばれる前島密(ひそか)に贈ったとみられる書が郡山市で見つかった。前島は20歳で艮斎の門人となっており、門人帳にも名前が見える。両者の関係を示す貴重な資料と考えられる。  艮斎の子孫の安藤智重安積国造神社宮司によると、儒教の経書「中庸」の一節で、書には立場にかかわらず常に自らをただすようにとの意味の文が書かれているという。「艮斎は気に入った門人に卒業証書代わりに書や詩を贈っているが、儒教の経書の一節を記してあるのは珍しい。前島は将来重責を担うと見抜き、良き指導者となるよう戒めの言葉を贈ったのでは」と推測する。紙は縦140センチ、横60センチ。  贈る人の名を記した為書きに「安政丙(ひのえ)辰(中略)上野生」とある。安藤宮司によると、安政丙辰は安政3(1856)年。艮斎の門人で上野の姓は3人だけという。2年に前島(旧名・上野房五郎)が入門し、ほかの2人は入門の年が大きく離れている。入門者は長くても修業3年のため、前島以外は当てはまらないとみている。  1月20日にいわき市で開かれた古美術商の交歓会に参加した郡山市の剣道道場師範美野清孝さんが購入し、安藤宮司に鑑定を頼んだ。美野さんは「正直驚いた。偉人2人が関わる貴重な品だけに多くの人に見てほしい」と話す。  美野さんの協力で、書は2月29日まで同市の安積艮斎記念館に展示している。観覧無料。時間は午前9時半から午後4時半まで。問い合わせは安積国造神社社務所 電話024(932)1145へ。 【写真】艮斎筆とされる書と美野さん(左)、安藤宮司 現代語訳「高い官位にあるときは下位の人を押さえ付けたりせず、低い官位にあるときは上位の人に取り入ったりせず、ただ自らを正しくして、他人に求めなければ心に恨みを持つこともない。つまり上は天を恨むこともなく、下は他人をとがめることもない」=金谷治訳註「大学・中庸」(岩波文庫)より
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      【福島民報】