韓国への外国人訪問客数が今年初めて、1000万人を大きく超えることは間違いない。それだけにホテル不足はさらに深刻になっている。
文化体育観光部、韓国観光公社と韓国観光ホテル業協会は2012年5月末、共同で「ホテル産業の展望」についての討論会を開いた。
世界で5番目に高い宿泊料金に不満の声
この中で、2011年末時点で首都圏のホテル客室需要は3万6379室であるのに対し、実施的な供給室数は2万8046室に過ぎず、8000室以上が不足しているとの試算が発表になった。
供給不足だから当然価格も上昇する。日本でも知られたホテルだと、宿泊料金が20万ウォンや30万ウォン以上(1円=15ウォン)という場合がざらだ。
「毎日経済新聞」によると、ホテルドットコムが2011年上半期基準で調査した世界主要都市の5つ星級ホテルの宿泊料金は、ロンドンが53万1000ウォンで最も高く、香港、シンガポールなどに次いでソウル(32万2000ウォン)が5番目に入っている。同紙によると、韓国を訪問する外国人観光客の88%がホテルの宿泊料金が高いことに不満だという。
「最近、建設ラッシュになっているのは、主に1泊10万ウォン以下かせいぜい15万ウォンくらいまでのビジネスホテル」(観光業界関係者)というのは、こうした事情からだ。
超円高が続いているから、今のところ、日本人観光客が宿泊料金のせいで減少するという現象は起きていない。それでも、学生など「低価格旅行」を志向する旅行者の間では、「価格よりも予約が取れない」ことがより深刻なようだ。
日本人向けの民宿サービスまで登場、悪質な業者には要注意
首都圏だけで毎日8000室も足りないとしたら、どうやってさばいているのか。
すでに1~2年ほど前から、中国人の団体観光客向けの低価格ホテルがなく、ソウルから1時間以上もかかる場所で宿泊させられ、ツアー参加者の不満が強いという話はよく聞く。
それだけでなく、最近「あれ?」と思うことが何度かあった。日本から知人が来て、ソウルでも有名な参鶏湯の店に連れていったら、店の前で日本語のチラシを配っていた。読んで見たら「アパートの1室を1日○万ウォンで貸します」と書いてあった。「希望すれば食事も出します」とか。日本人向けの民宿サービスだ。
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