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'12/6/5

【指揮権発動相談】軽率な判断、批判免れず

 【解説】法相を退任した小川敏夫参院議員が指揮権発動に言及したのは、虚偽捜査報告書問題をめぐる検察の捜査に不信感を持ったためだ。だが、安易な政治の介入は検察の独立性を揺るがす恐れがある。個別事件にまで指揮権が及ぶ法相の重大な権力を自覚していない軽率な判断だったとの批判は免れない。

 検察当局は虚偽報告書を作成した田代政弘たしろ・まさひろ検事(45)や当時の上司らを不起訴処分とすることで最終調整している。小川氏は虚偽記載について「記憶違いではないと誰でも思う」と指摘。さらに、身内の捜査に検察が消極的な場合は「指揮権を発動する典型的なケース」と強調するなど検察不信をあらわにした。起訴を促す目的があったことは明らかだ。

 過去に指揮権が発動されたのは1954年の造船疑獄事件だけ。大物政治家の逮捕を延期させた結果、国民の間で「政治の圧力」との批判が強まり、内閣の崩壊につながった。こうした歴史を踏まえ、個別事件への発動は抑制的であるべきだというのが法曹関係者の共通認識になっている。

 また、小川氏は「捜査のすべてを把握しているわけではない」と認めている。判断の根拠についても、より詳しい説明をすべきだ。

 一方で「いいかげんな幕引きでは検察への国民の信頼回復は遠のく」との指摘は正論だ。検察当局はこの発言を重く受け止め、田代検事らの処分に際し、国民が納得する説明をする必要がある。




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