【ニューヨーク＝杉本貴司】コカ・コーラやフォード・モーターなど米５社は、植物由来プラスチックの再利用で連携することで合意した。コカ・コーラの独自技術である植物由来原料を取り入れたペットボトルをフォードなどが商品の一部に素材として取り入れる。環境技術の普及に向け、ペットボトルを大量に使用する飲料メーカーが異業種企業と異例のタッグを組む。

　協力するのは２社のほか、ケチャップで有名なハインツ、ナイキ、プロクター・アンド・ギャンブル（Ｐ＆Ｇ）。共同組織の設立で合意した。

　コカ・コーラとハインツが使うペットボトルを、フォードやナイキが自動車の内装や運動靴、衣料などの素材として再利用する。コカ・コーラはペットボトルの再利用先の企業との協力を通じ、環境負荷の小さい植物由来原料を普及させたい考えだ。

　コカ・コーラは基本となる植物由来ペットボトルの技術を2009年に実用化した。サトウキビから作るバイオエタノール樹脂を最大で３割程度、化石燃料のペットボトル原料に混ぜて使う。

　ハインツはすでに同技術でコカ・コーラからライセンス供与を受け、米国とカナダでケチャップのボトルに利用している。

　植物由来ペットボトルでは、米ペプシコが12年に100％植物由来の素材を一部商品で試験的に採用した上で、段階的に広げていく計画。コカ・コーラなども今回の共同組織設立で100％植物由来ボトルの実用化を目指すとしている。