たまたまEテレの『ハートネットTV』を見ていたら、最近よく見る26才のイケメン社会学者の古市憲寿さんが出ていた。この人いつも「若者の代表」みたいな顔してるけど若者代表なのはパッ見イケメン風の外見だけで、言ってるは事一般の若者よりは大分ズレてるよね。(彼についてはネタを集めて今度書こう。)

 

まあいいとして、その日のお題は「シリーズ “新型うつ”にどう向き合うか 第2回 医療と企業の最前線」。ちまたに発生するうつ病の社員を企業はどう扱えばいいかといったところ。ここですごい会社が紹介されていた。

 

それはあるコンピューター系の会社で社員数は千人程度。海外とも取引があるという。その会社では年間何人かの社員がうつ病になっちゃうらしく、そんなうつ病社員たちを集めてある課をつくり、“べつに急がない”資料のタイプを打たせたり、どうでもいいコピーさせたりしながら彼らがどうしたら本人の個性を生かして働けるかを話し合ったりしているという。そこの社長さん(43才くらい)は、「うつ病になったとしても彼らは優秀な人材なので働き方を考えてあげれば必ず成果を上げてくれる。我々は地道な努力を続ける。(原文不ママ)」といったどや顔のコメント。って、お前の会社で働いていてこの人たちうつ病になったんじゃないの?切らないだけマシって事?

 

新型だろうが元々だろうが人が「うつ」状態になるのって、大概自分以外の「他者」が絡んでる。たとえば海外赴任先になじめず、頭おかしくなっちゃった上記の会社のAさん(30代)の場合、必ずしも本人のコミュ障だけがうつの原因ではないはず。日本の会社のルールが現地で通用しなかったり、海外の事情を何も知らない本社の上司がパワハラしてきたり、何かぜったいに本人以外の原因があるはずだ。この会社アフターケアは万全みたいだけど、その辺はスルーなのか。わりと自分勝手に発症するといわれる「新型うつ」の解釈って難しいけど、いじめっ子放置していじめられっ子ばっかりを集めたクラスでカウンセリングしても問題が解決しないように、まずどうしてその社員がそんなに追い詰められたかを検証する方が先じゃないか。最近会社で働いてないからよく分からないけど、そもそも年間何人かの社員がうつになる会社って今フツーなの?アフターケアよりそっちが問題だよね。

 

会社の辞令で海外に行って病んで帰ってきたAさんは、うつになった原因は自分の個性(新型うつの正体)のせいだとされ、みんなから気を使われ、大の男なのにタイプばっかりとか派遣社員以下の仕事をさせられ、それでも感謝してこの会社にお世話になるしかない。これちょっとひどくないかなぁ。(参宮橋ポニー)