【ワシントン】関係筋が5日、明らかにしたところによると、米連邦捜査局(FBI)は米国によるイラン核施設へのサイバー攻撃に関する情報を誰が漏らしたのかについて捜査を開始した。
米国では先週、「スタクスネット」と呼ばれるコンピュータウイルスを使ったサイバー攻撃の詳細が報じられた。イランは同国のコンピューターがこのウイルスに汚染されたことを認めている。
同筋によれば、この攻撃は中央情報局(CIA)が米アイダホ国立研究所、イスラエル政府、その他の米機関と協力して実行した。CIAなどはまた、継続的な無人偵察機の利用やイラン科学者に対するサイバースパイ活動も行っている。
米紙ニューヨーク・タイムズは1日、同社のデービッド・サンガー記者が執筆し、近く出版される本を引用して、米のサイバー攻撃を報じた。ウォール・ストリート・ジャーナルなど他のメディアもその後これを報じた。
FBIの広報担当者はコメントを拒否した。
これに先立ち、国際テロ組織「アラビア半島のアルカイダ」に潜入した二重スパイに関する情報のリークについての捜査も行われている。ロバート・モラーFBI長官は最近、この二重スパイと同組織が航空機爆破に使おうとした新世代の下着爆弾に関する情報がどのように漏れたのか捜査していると述べていた。
イエメンの組織について最初に報じたAP通信は、政府の要請に応じてこのニュースを数日間配信しなかったとしている。
共和党議員は、オバマ政権は大統領再選を狙って、情報を取捨選択して出していると批判している。マケイン上院議員(アリゾナ州)は先週末、シンガポールで記者団に対して、対イラン・サイバー攻撃をリークするのは「信じられないほどの憂慮すべき事態」だとし、これらのリークは「大統領の国家安全保障面での能力を誇大に宣伝するためのパターン」だと強調した。
アーネスト大統領副報道官は1日、情報が意図的にリークされたとの見方を否定した。同副報道官は「この情報を公にすれば国家安保に大きな脅威になるため機密扱いになっている」と指摘した。
ニューヨーク・タイムズの広報担当者とサンガー氏はコメントを拒否した。
対イラン・サイバー攻撃についての報道では、この攻撃は「オリンピック・ゲーム」と呼ばれ、ブッシュ政権時代に始まり、オバマ政権下で加速したとされている。ニューヨーク・タイムズは一部の情報は両政権下で働いた複数の当局者から得たとしている。