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紙面から(6月1日)/福島第一冷温停止への道 第3回

放射能・放射線対応、慎重に

2012/06/06

高線量のがれきが確認された3号機原子炉建屋付近(東京電力提供)

巨大津波で押し流され 「波の方向が分かるように」 (木暮) 並ぶ冷却用取水設備や資材建屋の残骸 (ざんがい)、通船、定期検査用の仮設資材。 水素爆発で吹き飛んだ人頭大のコンクリート片や斜面に突き刺さった金属パネル。 最大で毎時千ミリシーベルトを発するがれき類--。

目の前に広がるのは、どれも一筋縄ではいかない代物だった。 立石たちはまず、旧事務本館前の誰の邪魔にもならないスペースで試験運用を開始。 無人重機のポテンシャルを探った結果 「十分使える」 (立石) との手応えを得た。

次に気をつけなければならないのは、作業周辺にある設備の保護だ。 発電所内には冷却用のホースや電源ケーブルがある。 重機で踏みつけてしまえば致命傷になりかねない。 一つ一つの干渉個所を個別に調査し、踏み掛け板を掛けるなどの対策を打ってルートを確保した。

■ 撤去順・範囲を連夜調整

最も頭を悩ませたのがどこのがれきをどの順番で、どこまで除去するかだった。 「土木の人間だけでは何も決められない」 (曽良岡)。 機械や建築など幅広い分野の担当者を集めた調整会議が、毎日続けられるようになった。

原子炉を安定化させるためのすべての作業は、がれきを撤去しなければ始まらない。 構内がれきの処理作業は、ユニット所長をトップに置き、所内の最優先事項の一つに位置付けられた。 「どのグループでもそのことを理解してくれた。 それが成功要因だった」 (同)

免震重要棟で行われた調整会議では、どこのがれきをどのように片付けていくかを毎日、時には2時間かけて練っていった。 「関係者が協議することが大切だった。各部門からのリクエストを現場の関係者たちが集まって調整し、その結果わたしたちが動くルールが確立された」 (金子)

撤去するがれきが定まってからは、作業員が現場に赴き、マーキングをしていった。 目当てのがれきを探し、印をつけるのは、被ばくの恐れもある危険な作業だ。

だが、「こういう作業があってこそ、初めて安全が確保できる」 (曽良岡)。 この綿密な作業が功を奏し、構内のがれき撤去は着々と進んでいった。

がれきはコンテナなどで厳重に保管されている(東京電力提供)

■ 手探りで進む作業

撤去作業が始まってからも現場では様々な難題が待ち構えていた。 「無人重機の導入直後は、現場に出れば毎時ミリシーベルト単位の被ばくは当然の状況」 (金子)。 がれき処理チームのメンバーがいの一番に挙げるのが、この放射能・放射線への対応だった。

福島第一の構内がれき処理では、撤去後のがれきをコンテナに詰める方法をとった。 がれきの線量が高く、そのまま山積みにすると作業員の被ばく量が増える恐れがあるからだ。

「ビルの解体ではがれきがもっと多いこともある。 大きながれきを金属機械で切るのも、ビルの解体技術を応用できた」 と話す立石も、これには悩まされた。

「そもそも今回使った無人重機は、がれきを箱の中に入れて持っていくといった作業を行う機械ではない」 (立石)。 無人重機は耐放射線仕様でもなく、どこまで持ちこたえられるかは手探りの状態だった。

>> Vol.03「制約の中、困難乗り越え」はこちら

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