こうしたハードルは、米国のシェールガスブームのペース――と恐らく規模――と肩を並べるのが難しい状態にするだろう。
しかも、供給が大幅に増加しても、欧州のガス価格を大きく低下させることはないかもしれない。米国の価格と違い、欧州では、ロシアやノルウェーの長期輸出契約のおかげで、シェールガスの価格が石油価格に連動しているからだ。
環境保護主義者や地元住民の反対
昨年はカナダ・ケベック州のモントリオールで同州でのシェールガス開発に反対するデモが起きた〔AFPBB News〕
シェールガスの生産者は、シェールガス業界が使う大量の水や、水圧破砕が帯水層の汚染や地震にさえつながる可能性があるというわずかな危険性に異議を唱える環境保護主義者たちからの反対にも直面している。
シェールガスを探査したり生産したりする時に、強力な温室効果ガスのメタンが大量に漏れ出す危険性もある。
IEAの試算では、シェールガスの生産は在来型のガスより3.5%、過剰ガスを放出する場合には12%、それぞれメタンを多く排出するという。フランスやブルガリアでは、水圧破砕が禁止されている。米国やオーストラリアでは、水圧破砕に反対する人たちが集会を開いている。
環境保護主義者たちにも言い分はあるだろうが、彼らはそれを誇張している。井戸の縦坑がきちんと密封されている限り、水圧破砕が地下水を汚染する危険性はほとんどない。ガス抜きをなくすことで、メタンの排出量は受容可能な最低水準に抑えることができる。
また、在来型の石油やガスの抽出でもずっと存在していた地震の危険性は小さく、監視することで軽減される。IEAは、そうした予防措置によって、シェールガス井のコストが7%増加すると話している。健全な業界にとっては小さな代償だ。
だが、そうした予防措置がシェールガスやあらゆる化石燃料に付きものの大きな問題に対処することはないだろう。こうした燃料が引き起こす地球温暖化だ。再生可能エネルギーや他の低炭素技術を促進する真剣な取り組みがなければ、セ氏3.5度を超える温暖化になるとIEAは予測する。これは負担しきれない代償かもしれない。
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