社会現象にもなっているアイドルグループ「AKB48」の妹分で、名古屋・栄を拠点に活動する「SKE48」。メンバー1期生で高知県出身の桑原みずきさん(19)は9月、AKB48として売り出し中の最新シングル曲を歌う選抜メンバー入りを果たした。「夢は女優」。来年も新たなステージを目指す。
――初めてAKB48の選抜メンバーに選ばれました
まずSKE48の中で予選のじゃんけんをして、4回勝ってSKEの代表5人に選ばれたんです。だからファンの応援が5人に集中しました。「絶対勝ってよ」とか「センター取ってよ」とか握手会で色々な言葉を掛けてくれましたが、それがプレッシャーになって大会前日の夜には具合が悪くなりました。たかがじゃんけんですけど、だからこそ緊張してしまって。終わった時は夢みたいに頭がボーッとしました。
――選抜メンバーに入って変化はありましたか
「上からマリコ」が12月7日に発売されて、SKEのお仕事もあり、今月はSKEに入って一番忙しい月。半分以上は東京です。忙しくなって、今やっと実感が湧いています。
――じゃんけん大会にはよさこいの衣装で登場しましたね
今年のよさこい祭りで、お仕事で1日踊らせてもらったんです。SKEに入るまでは毎年踊っていたんですけど、入ってからは忙しくて踊れなかった。よさこいを踊れたことが今年一番うれしかったことなので、「運を背負っていこう」と衣装を着ました。
――メディア露出が多くなりましたね
SKEのオーディションを受けた時は、高知では誰も知らなかったんです。SKEに入っても「何それ」みたいな感じで。でも今は友達も「SKEの公演見に行きたい」って言ってくれたり、握手会でも高知の人がすごく増えたり。一番自分の活躍を見てもらいたいのは高知の人。そういう意味でもAKBの選抜に入れたのは良かったです。
――1月には県観光特使に任命されました
すごいうれしかったです。もともと名古屋に来てからも土佐弁のままで、よく高知のことを話します。高知県出身と公言していて、カツオがおいしいって言ったら、メンバーが私のことを「カツオ」って呼ぶようになって……。今ではファンの8〜9割からもカツオって呼ばれています。
――土佐弁は隠さないんですね
高知の人って、標準語はドラマとか映画の世界の言葉なので、しゃべるのが恥ずかしいんですよ。今では逆にSKEのメンバーの子が土佐弁に染まってます。
――もともとSKEを受けたきっかけは
特にアイドルになりたいという感じではなかったんです。小学校から毎日タップとかジャズとかお芝居に通って、中学生の時から女優になりたくて色々なオーディションを受けました。その中でSKEの「1期生募集」にひかれたんです。私は引っ張られるより引っ張っていきたいタイプ。1期生なら自分次第で何とかなるかなと思い、受けたのがきっかけです。
――来年はどんな年にしたいですか
今でも夢は女優になることなので、演技をしたいです。実は大河ドラマ「龍馬伝」にすごく出たかったんですよ。残念ながらオファーは来なかったんですけどね。高知を舞台にしたドラマがあったら絶対に出たいです。(聞き手・中島嘉克)
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〈桑原みずき〉 高知県出身。小学生の頃から県内の劇団でタップダンスやジャズダンス、芝居などを学び、2008年にSKE48の1期生オーディションに合格。今年9月、AKB48として売り出す24枚目のシングル曲「上からマリコ」のメンバーを選抜する「第2回じゃんけん大会」で勝ち上がり、初めてAKB48の選抜メンバーに名を連ねた。
SKE48内ではお姉さん的存在。性格は本人いわく「めっちゃ元気でムードメーカー。ザ・高知県民って感じ」で、人を笑わせるのが好き。