西日本新聞

九電最大4.6%不足 今夏電力供給

2012年4月24日 01:02 カテゴリー:社会 九州 > 福岡
今夏の電力需給の見通しについて説明する九州電力の梨田一海常務(左)=23日夕、福岡市中央区の電気ビル本館

 今夏の電力需給を点検する政府の需給検証委員会が23日開かれ、全原発が再稼働しない場合の各電力会社の需給見通しが示された。2010年並みの猛暑だった場合、8月の需要ピーク時には、一定の節電を考慮しても九州、関西、北海道の3電力管内で3―16%の電力不足に陥る内容。九電管内の不足は想定需要の3・7%に当たる60万キロワットで、7月に電力需要ピークを迎える場合は4・6%の75万キロワットに拡大するとした。

 委員会は、需給両面について有識者による検証を進め、5月の連休明けに検証結果を取りまとめる。政府はその報告を基に、電力会社管内ごとの節電の数値目標などを決定する方針。

 電力需給見通しは電力各社が政府に提出した。特に西日本での電力不足が深刻で、8月が猛暑だった場合、関西がピーク時に16・3%(495万キロワット)不足。四国電力は想定需要を供給力が0・3%上回ったものの、最低限必要とされる供給予備率3%を下回り、中部電力以西6社の合計で3・6%(343万キロワット)不足となる。7月が猛暑の場合は、四国も供給力不足に転じ、6社計で4・7%足りなくなる。

 九電は管内のピーク需要について、昨夏並みの123万キロワットの節電効果がある前提で、10年夏並みの猛暑なら1634万キロワットに、平年並みの暑さでも1613万キロワットになると試算した。供給力は、原発3基が稼働していた昨夏の1671万キロワットに届かず、7月が1560万―1582万キロワット、8月が1574万―1622万キロワットにとどまるとした。

 九電は数値目標付きの節電要請について明言を避けたが、安定供給には一定の供給予備率が必要で、昨冬(前年比5%以上)並みかそれ以上の節電要請が避けられない情勢。ただ、法律に基づき政府が使用制限令を発動する事態は回避したい考え。

 委員会では、電力各社や、節電策を工夫すれば電力不足は生じないとする環境エネルギー政策研究所の飯田哲也氏らからヒアリングした。今後、事務局の内閣府国家戦略室が、需給ギャップをできる限り抑えるための論点を整理する。

 一方、需要者側で会合に出席した電機大手パナソニックの担当者は「勤務シフトや休日変更などの節電対応には事前準備が必要。割合、期間、地域などを一刻も早く示してほしい」と注文した。

=2012/04/24付 西日本新聞朝刊=

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