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最悪の被災地

2012年05月18日
 善意のボランティアを食い物とした、一般社団法人 石巻災害復興支援協議会 前会長 伊藤秀樹氏の震災瓦礫処理詐欺疑惑について、週刊文春の記事を取り上げたところ、以来、ご覧になられる方が日増しに増え、左側下部の来訪者カウンターを見ていただくとおわかりいただけるように、連日、数百人単位で伸び続けている。
 ご覧頂いている方々の中には、実態解明を恐れる方も居るらしく、本件について、情報操作云々と言い繕う向きもあるようだが、その一方で、同協議会とは対照的に、被災した会館を拠点にボランティア活動を行ってきた団体からは、ボランティアとは名ばかりの金にまみれた同協議会の活動に痛烈な批判の声が上がっている。


http://ishinomaki311-2.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=3614306

 つい先日まで、石巻専修大学の一角を陣取り、暖房の行き届いた部屋でぬくぬくと金集めに勤しんでいた同協議会の偽善ボランティア疑惑はいずれ、会計監査で暴かれる必要がある、というのだ。
 伊藤秀樹前会長は、日本財団から無償提供された総額数億円の重機車両を自社「藤久建設」の瓦礫処理業務に使いまわし、さらにはボランティアの活動写真を使った架空請求で市から3億円をだまし取った疑惑が浮上しているが、週刊文春の追及を受けた途端に、無償の車両使用代に相当する車両使用料数百万円だけは返還した。
 さらには、新たに、同協議会も、伊藤秀樹氏が会長(代表理事)当時に石巻市から随意契約で請け負った被災者入浴支援事業で貯め込んでいた数百万円を石巻市に返還。自ら疑惑を裏付ける証拠を次々と示しているが、その一方で、明らかにボランティアの活動写真を施工写真と偽り使いまわして3億円を騙し取った方は、さすがに怖くて白状できずにいるのだろう。
 瓦礫処理を請け負った業者は「工事に施工写真はつきものだ」と口を揃える。日付や施工場所が記された黒板の写っていない施工写真(スナップ写真)などあり得ないというのだ。請求時には、市の担当者から施工写真の有無を厳しく点検された、と言い切る。
 なのになぜ、藤久建設の請求書に添えられた施工写真はボランティアの同一スナップ写真の焼き増しで許されたのか。 
 石巻市上層部は、証拠隠滅も終わったであろう今頃になってようやく、担当職員に調査を命じ、それを基に弁護士に相談したが、「訴えても負ける」と言われたという。しかし、そこにはカラクリがある。あろうことか、相談に行った担当職員は、情報開示請求で明らかになった疑惑を裏付ける書類を何一つ持たずに弁護士に相談に行ったというのだ。
 そもそもボランティア活動のスナップ写真を施工写真とみなし、有りもしない業務に公金を支払ったのだ。共謀の疑いすらある職員が、疑惑解明に抵抗するのは当たり前のことで、当事者の言い訳に対する弁護士の回答をもってして「訴えても負ける」と語る市幹部は、疑惑の隠ぺいに加担している、との誹りを受けても言い逃れできない。
嘘つきは泥棒の始まり。子どもでもわかる話だ。

 議会の追及にあって亀山市長は、市の災害対策本部の会議に伊藤氏が出入することを承認したのは自分だ、と認めており、市長以下、職員が当事者である本件は、市の自助努力では、真相の解明などあり得ない。
 しかし、それにも関わらず、情けないことに市民の付託を受けた、唯一の行政の監視役であるはずの議員は、被害にあった市が警察に訴えるのが筋、と言い、まったく何も見えていない。
 先日、震災直後の被災地でコンビニATMを荒らし、1300万円を盗んだ連中が捕まったというのに、瓦礫処理の架空請求で公金3億を騙し取ったとみられる本件はお咎めなしということが、この法治国家で許されてよいのか。全員で臭いものに蓋をしようとしている市政は全国に被災地の恥をさらしていることに気づいていないのか。
 世の中には、やって良いことと悪いことがある。ボランティアを食い物にした架空請求で公金を騙し取るという行為がまかり通るようなことが許されるのか。それすら闇に葬ろうという議員を当選させ、黙って黙認している市民(有権者)にも責任がある。
 毎日新聞の報道によれば、大阪の維新の会とは無関係だが、過日、石巻にも維新の会が発足し、議員定数削減の審議に必要な署名を集める活動がスタートした。良識ある市民の手により、間違いなく、審議入りに必要な署名は集まるだろうが、議員報酬を得てふんぞり返り、何もしない議員など必要ない。削減に至る前にさっさと辞め、自らが得ていた報酬をもってして、騙し取られたであろう公金を補てんするぐらいのことをした方が良い。
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