政府が最終判断する見通しの関西電力大飯原発３、４号機の再稼働を巡り、嘉田由紀子滋賀県知事と山田啓二京都府知事が６日にも、野田佳彦首相に宛てた新たな共同提言を示すことが分かった。再稼働を今夏の電力需給逼迫（ひっぱく）時に限ることなどを盛り込む予定で、関西広域連合が求めた「限定的な再稼働」の中身を具体化する方針。西川一誠福井県知事は限定再稼働の主張に反発しており、同県の再稼働同意手続きへの影響が注目される。

　再稼働に慎重な姿勢を示してきた嘉田、山田の両知事は４月、大飯原発の再稼働に中立的な判断基準や恒久安全対策などを求める７項目の共同提言を政府に提出。新提言では、５月３０日の広域連合声明と同様、政府の安全判断が暫定的だと指摘した上で、大飯原発の再稼働を電力需給逼迫時に限ることなどを求める。また、両府県は事故があれば被害を受ける可能性があるとし、同原発の特別監視態勢に参画できるよう要求するという。新提言は、臨時的・限定的な再稼働に否定的な福井県の意向に政府が引っ張られないよう、けん制する意味もあるとみられる。【加藤明子】