義損金
災害の救済などを目的とした寄付金のことを、「義捐金」といいます。
「義損金 (ぎそんきん)」ではなく、「義捐金 (ぎえんきん)」が正解です。
とてもよく似ていますが、「損」と「捐」は別の漢字です。
無論、この「よく似ている」ことが誤字の原因であることは確実ですが、それだけではありません。
「捐」の字の出番があまりにも少ないために、アイデンティティーが確立されていないことも大きな要因です。
「捐」という漢字が存在すること自体を知らず、「損」と誤認している人、多いのではないでしょうか。
「捐」は当用漢字からも外れた漢字ですので、「義援金」と書き換えられることがあります。
被災者への「支援」というニュアンスの感じられる、なかなか優れた書き換えですね。
一方の「義損金」にも、それなりに説得力がありそうなところがまた面白い。
施しをするということは、そのぶんだけ自分の所持金が減るわけですから、確かに「損」です。
でも、「損」だと思いながら払う寄付金って、虚しいですね。
いかにも「偽善」という感じになってしまいますから……
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ありがとうございます。
ずっと気になってました。
辞書で調べてもわからなくて…。
諦めていたら、ここにたどり着きました。
感謝。
投稿: | 2011年3月25日 (金) 17時10分
こどもの学校の入学の際に
義捐金箱がおいてあり・・・
子供と字が間違っているみたいだね。と話していました。何がどういうふうに違うのか気になり・・・
こちらにたどり着きました。凄くわかりやすく子供にも説明できます。ありがとうございました。
投稿: はやみ | 2011年4月 8日 (金) 14時31分