おまけ:副島隆彦のロッキード事件“論”


小室直樹の弟子を自称している副島“アポロは月に行かなかった”隆彦もきっとどこかでロッキード事件について書いているに違いないと思って、なぜかうちに一冊だけある彼の著書(共著)『裁判の秘密』(宝島社文庫)をぱらぱらとめくってみたのだがそれらしき記述はなし。というわけでネット上でいろいろさがしているとこんなのを見つけた。掲示板の過去ログのようだが、発言[150]に注目。

[150] 田中角栄ロキード裁判について 2ちゃんねるから 投稿者:副島隆彦 投稿日:2001/11/21(Wed) 13:51:44

副島隆彦です。

以下のような、田中角栄ロッキード裁判についての法律学上の、問題点を
簡潔に、明かに書いてある文章は、貴重なのだ、と思いました。私が同じ
ことを書くと、長々と何ページにもなってしまいますから。ただし、この
シャープな議論について来れる人たちというのは、相当に論理力のある
人から上です。そのことが今でも、私は気になるのです。

この後に2chの「小室直樹」スレ過去ログからのコピペがくるのだが、このスレは過去に私も(いかに小室信者がバカの一つ覚えを繰り返しているかを示すために)言及したことがあるもの。で、どこに「シャープな議論」があるかというとこのあたり。

440 名前:  :01/10/10 01:44

嘱託尋問調書には95年の最終判決で、違憲判決が出たでしょ。
ロッキード裁判ははじめからめちゃくちゃな暗黒裁判だったってことね。


441 名前:名無し :01/10/10 04:45

デタラメ言うなボケ。違憲判決なんか出てないって。
出たのなら、事件番号か、判決の年月日と法廷名を示せ。
ここに来てる小室信者、馬鹿な上に、こういうデタラメばっかりだ。


442 名前:名無しさん2001 :01/10/11 05:19
>>440

角栄が死んで控訴棄却になったとき、最高裁は「コーチャン証言には適法性がなかった」旨を認めている。
つまり、最高裁ですらコーチャン証言は憲法違反であることを認識してた事となる。

判決は出てないけどね。


443 名前:名無し :01/10/11 08:18
≫442
ちゃんと判決文や補足を読みましょうね。

判決文には 「証拠として採用出来ないが今後そういった制度を法で
定めることは違憲ではない」と書かれてるでしょ。

小室の 受け売りしてると恥かきますよ。イカサマ師なんだから。
それに適法性がなかったなんてどこにも書かれてませんよ。

補足にも、「証拠として採用されないことと、捜査上これ
を行うこととは別の問題である」 とはっきり書かれてある
でしょう。それに揚げ足取りみたいになるけど、

「控訴棄却」 なら有罪確定になってしまうよ。

テレビで、検事をぶっ殺せと言いながら、言論誌ではデュープロセスが
どーたら、と言う様な輩はどう考えても馬鹿かイカサマ師でしょう。


444 名前:名無しさん :01/10/11 14:19
>>443
お前日本語読めんのか?

「証拠として採用出来ないが今後そういった制度を法で定めることは違憲ではない」

というのは将来に対しての言及であって、当時それが認められていたということではないだろうが。

小室を支持するつもりはないが、イカサマ厨房は計算ドリルでもやってろ。

ソエジーが引用している箇所だけ引用したが、これ以前でもこれ以後でも小室信者が教祖のヨタをコピペし、ことごとく反駁されている。もう何度繰り返したか分からないほどあちこちで書いているのだが、最高裁で嘱託尋問調書に「違憲判決」など出ていない。大前提が間違っているのだから後にどんな議論がこようが間違った結論しか出てきようない。こんなものを「貴重」「シャープ」などと評するのは「相当に論理力のある人から上」なんじゃなくて論理を越えてしまった人たちだけだろう。さすがエイプリル・フールのネタ番組を真に受けてアポロの月着陸を否定する方である。

もう一つ。徳本栄一郎氏の『角栄失脚』への反響を調べていてこんなのを見つけた。『副島隆彦(そえじま・たかひこ)の学問道場』付属の掲示板での発言[4297]と、そこで言及されている発言[4296]をご覧いただきたい。立花隆が“大平内閣のころ(つまりロッキード裁判が進行中のころ)に、日本の政治を動かす最大のパワーはアメリカの意思だ、とエリート官僚の一人から聞かされた”という趣旨のことを書いている文章を読んで、“立花は今頃になって過ちを認めた!”と大喜びするやら“今頃認めても遅い”と怒るやらしておられるわけである。なんというか、いったん「陰謀論」というスキームにとらわれてしまうと人間の認知がどれほど歪められるかを目の当たりにするようで、はっきりいって気持ちが悪い。あらためて指摘するまでもないと思うが、副島隆彦の読解は重ね重ね間違っている。まずもって、仮にアメリカの意思が日本の政治を動かす最大のパワーであるというのが(官僚の責任転嫁などではなく)本当だとしても、それは日本の政治史のあらゆる局面でアメリカが日本を100%コントロールしていたということを意味しない。というか、常識的に考えればそんなことがあるはずがない(無駄が多すぎるから)。つまり立花隆は別段ロッキード事件がアメリカの陰謀であったと認めたわけではないのである。さらに言えば、仮にロッキード事件がアメリカの意思によって引き起こされたのだとしても、「田中を潰す」のがアメリカの意思だったのか、それとも「田中をスケープゴートにして自民党を救う」のがアメリカの意思だったのか、最低でも二つの可能性があるということである(他に、失敗した陰謀だったという可能性などもある)。当時の国際政治情勢、日本の国内政治情勢、アメリカの国内政治情勢のいずれに鑑みても後者の方がまだ蓋然性のあるシナリオであることは明白なのだが。

[4296]を書いた副島隆彦の取り巻き「アルルの男・ヒロシ」なる人物は今年の新年早々に『角栄失脚』について「学問道場」に投稿しているのだが、徳本氏がロイター通信につとめていたというだけの根拠でCIAの手先呼ばわりするなど、しょっぱなから飛ばしている(なお、こちらもご覧いただきたい)。彼に限らず徳本氏のルポを読んだ陰謀説論者の反応は判で押したように同じで、いちおう陰謀説への打撃であることは認めるものの、「だからといって陰謀がなかったことが証明されたわけではない」と開き直るのである。もともと状況証拠と憶測とソースの怪しげなキッシンジャー談話しかなかった陰謀説の根拠がことごとく徳本氏によって否定されたのであるから、ひとまず陰謀説は引っ込めるのが知的誠実さというものであろう。そりゃあ徳本氏の調査が陰謀説の存在を100%否定し切ったわけではないのは確かである(第一、そんなことは不可能である)。しかし「○○がある」という主張の根拠が雲散霧消したというのに単なる可能性にしがみついて“まだ結論は分からない”などと言い逃れ、陰謀説を垂れ流しつづけるのは厚かましいにもほどがある。徳本氏が『月刊 現代』の2005年7月号で指摘しているように、陰謀説論者こそが(意図せずして)CIAを利している可能性を真剣に考えてみるべきではないのだろうか。