米アップルと韓国サムスン電子のスマートフォンやタブレット端末に関する特許訴訟。2012年5月21日と22日に、アップルのティム・クックCEOとサムスンの崔志成(チェ・ジソン)CEOが米カリフォルニア州北部連邦地方裁判所にそれぞれ出廷し、和解に向けた話し合いをした。この交渉の行方が注目されていたが、同裁判所が5月31日に提示した文書で、両社が和解の合意には至らなかったことが明らかになった。
アップルのクックCEOが4月、「アップルは和解を望む」という発言をして、これまでの同社の強硬姿勢を転換するなど、和解の環境は整いつつあるかと思われた。しかし、およそ1年、10カ国にわたって繰り広げられている訴訟合戦は、まだ収束しなさそうだ。和解交渉の決裂によって注目が集まるのが、交渉が行われたカリフォルニア州北部連邦地方裁判所で7月30日に開かれる予定となっている公判である。
■4月16日の交渉同意後も続いていた争い
まずは、今回の訴訟合戦の簡単な経緯を振り返ろう。事の発端は2011年4月、アップルがサムスンに対して、アップルが持つデザイン特許などを侵害しているとして提訴したことに始まる。その後、サムスンが米国のほか日本と韓国、ドイツなどで提訴。お互いが世界で訴え合う事態になり、訴訟は世界中に広がった(図1)。
図1 アップルとサムスンが争っている国・地域とその数(2012年5月中旬時点)
アップルは一時期、オーストラリアやドイツなどでサムスン製品の販売仮差し止めを勝ち取るなど事を優位に進めたが、サムスンがインターフェースや外観のデザインを変更することで侵害を回避し仮差し止め処分を免れた。その後は大きな進展がない[注1]。
こうした中でのCEOレベルでの和解交渉だったが、水面下ではまだ両社の激しい争いは続いていた。和解交渉の日程が決まった後も、まるで今回の和解交渉決裂を見越していたかのように、両社がお互いを攻撃する場面が見られた。
[注1]両社による特許係争の詳しい経緯や、アップルが主張するデザイン特許の具体的な内容は、日経デザイン編『アップルのデザイン ~ジョブズは“究極”をどう生み出したのか』(日経BP社、1890円、紙版は2012年4月発行、電子書籍版は5月発行、http://netstore.nikkeibp.co.jp)を参照。
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