2012.6.2 05:03

尾崎さんヒットの要因「カラッとした歌い方」

尾崎紀世彦さん

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 大ヒット曲「また逢う日まで」などで知られる歌手、尾崎紀世彦(おざき・きよひこ)さんが5月31日午前0時5分、肝臓がんなどのため東京都港区の病院で死去したことが1日、分かった。69歳だった。

 音楽評論家の富澤一誠氏(61)は「尾崎さんのダイナミックな歌い方は当時から評判でした。また、その日本人離れした歌唱法を生かす『また逢う日まで』という曲と出合ったことが大きかったと思います。筒美京平さんのメロディーも素晴らしかったが、阿久悠さんが書いた、男と女が納得して別れるという詞が尾崎さんのドライな歌い方にピタリとはまったのだと思います。それまでの男と女の愛の歌は、しめっぽいものが多かったのですが、阿久さんはあの時代としては非常に新しい、男女が明日に向かって前向きに別れるという新しい愛の形を『また逢う日まで』で提示した。そして、尾崎さんのカラッとしたあの歌い方があったから、ヒットしたのかもしれませんね」と語った。

(紙面から)