集合写真の撮影で、いたずら好きのザッケローニ監督(右)から、“ひじ攻撃”を食らい苦笑いの香川=埼玉県内で
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イングランド・プレミアリーグの名門マンチェスター・ユナイテッドは5日、MF香川真司(23)を獲得することで、本人と今季まで在籍したドルトムント(ドイツ)と合意したと発表した。メディカルチェックを受け、英国の労働許可証を取得した後に正式契約を結ぶ。世界的なビッグクラブへの移籍に対し、日本代表のMF本田圭佑(25)は「真司は世界のトップクラブでプレーするのにふさわしい選手。日本人として誇りに思う」と賛辞を贈る一方で、「僕自身もビッグクラブにふさわしい選手だと自覚している」と強烈な対抗意識をのぞかせた。
ついに「マンU・香川」が誕生することが正式に決まった。チームを指揮するファーガソン監督にとって、香川はどうしても欲しい選手だった。今シーズンはライバルのマンチェスター・シティーに2連敗を喫し、リーグ制覇を逃した。この屈辱を晴らし、来季のリーグ王者の座を奪回するには、ゴール前でより緻密な、局面を打開するバリエーションの豊富なサッカーをしなければならないと決断したのだろう。その新生マンUの旗手として、香川に白羽の矢を立てた。
香川は混み合ったゴール前へ突入して得点を決め、さらに得点機もつくれる。これまでマンUにはいなかったタイプの選手だ。今季までは香川が得意とする「トップ下のMF」というポジションはほとんど存在しなかったが、香川の特長を生かすため、4−2−3−1など、新フォーメーションを導入する可能性が高い。
気になる背番号だが、現在空いているのが「2」「7」「26」「28」「29」など。退団が決定的なベルバトフが着けた「9」も空く。マンUの伝統といわれる、過去にジョージ・ベストやカントナ、ベッカム、クリスティアーノ・ロナルドらが着けた「7」を与えられるとなれば、期待の大きさがうかがえる。
これで契約面では合意したが、本当の戦いはこれからだ。マンUは今オフのプレシーズンツアーとして、南アフリカと中国、さらにシーズン開幕直前にはノルウェー遠征を計画している。このツアー中に、香川は力を発揮し、レギュラーポジションを奪わなければならない。 (ロンドン、原田公樹)
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