(CNN) 米上院で5日、民主党が提案していた男女間の賃金格差を是正する法案が、共和党の反対により却下された。民主党は女性が不当な差別を受けないよう、法律を強化するべきだと主張している。
法案の審議には上院の定数100のうち60の賛成票が必要とされるが、共和党議員は1人も支持せず、賛成は52にとどまった。オバマ大統領は、共和党が党利党略を優先していると批判する声明を出した。
米国では1963年に同一賃金法が制定された。民主党によると、新たな法案はその抜け穴をふさぐ内容。雇用主に対して、賃金の格差が性別でなく仕事の業績によって生じていることを証明し、従業員同士が賃金について情報交換することを妨げないよう義務付ける。差別を受けていると感じた女性による損害賠償訴訟も認められる。
民主党にとっては、今秋の大統領選を前に女性有権者から支持を得るための重要案件とされる。一方、共和党は、賃金格差は是正すべきだが、民主党案には反対との立場。共和党有力者らは、「この法案が成立しても集団訴訟で弁護士がもうかるばかりだ」と批判する。
法案を提出した民主党のミクルスキ議員は「きょうは負けたけれど、賃金と権利の平等をあきらめない」と述べた。