玄葉光一郎外務大臣は先月30日、日本とロシアが領有権を争っている北方領土の開発事業に韓国企業が参加したことに対し、抗議を行った。日本メディアが31日付で報じたところによると、玄葉大臣は記者会見で「(韓国企業の北方領土開発事業への参加は)まるでロシアの管轄権を前提としたかのような行為で、受け入れられない。極めて遺憾」と語った。また玄葉大臣は、既にロシア側に抗議し、韓国政府にも同様の立場を伝えたと語った。
韓国の中小建設企業の社員約50人は、5月19日に北方四島の一つ、択捉島の岸壁工事のため、現地を訪れた。韓国企業が参加する工事は、530億ウォン(約35億円)規模のものだといわれている。日本政府は、韓国人がロシアのビザで北方領土を訪れるのは、北方領土をロシア領と認める行為だと見ている。一方ロシアは、領有権を強化するため北方領土で大規模な開発事業を展開しているが、領有権を対外的に誇示するため、韓国や中国の企業に工事の一部を任せている。
北方領土は、日本の領土だったが、第2次世界大戦直後に旧ソ連が占領した。旧ソ連は一時、歯舞・色丹の2島を返還するとしていたが、日本は4島全ての返還を要求し、交渉が決裂した。ロシアは「返還できない」という立場を貫いている。