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政治
森本氏起用、「文民統制」批判に論拠薄く
民間人初の防衛相となった森本敏氏をめぐり、鳩山由紀夫元首相は5日、文民統制(シビリアンコントロール)上の疑義があると懸念を示した。野党も国会で追及する構えだ。だが、民間出身を問題視する論拠はあやふやだ。(杉本康士)
「ミサイルのスイッチを入れる権限を有する方が選挙の洗礼を経ない方でよいのか。相当厳しい国民の批判を受けるのではないかと心配している」
鳩山元首相は自身のグループ会合で、こう指摘した。首相在任時に米軍普天間飛行場の移設先をめぐり迷走した鳩山氏だが、自らが日米同盟に深刻な影響を与えたことは忘れているようだ。
4日には民主党の一川保夫参院幹事長も文民統制の観点から森本氏起用を疑問視したが、防衛相時代、「安全保障に関しては素人だがこれが本当のシビリアンコントロールだ」と発言し、問責決議を受けたのは一川氏本人だった。
憲法66条は、首相と閣僚は「文民でなければならない」と規定している。文民については昭和28年の衆院外務委員会で佐藤達夫法制局長官(当時)が「過去に職業軍人」ではなく、「軍国主義に深く染まった人」ではない人物と答弁した。
森本氏に対し「この分野で非常に造詣の深い人柄も立派な方だ」(自民党の谷垣禎一総裁)との評価はあっても、軍国主義に染まっているとの見方は聞こえてこない。森本氏は元自衛官だが、自衛官出身の前例としては自民党の中谷元・元防衛庁長官がいる。
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