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[朴露子ハンギョレブログより] 「お前、ユダヤ人だろう?」

原文入力:2012/06/01 00:24(4415字)

朴露子(パク・ノジャ、Vladimir Tikhonov) ノルウェー、オスロ国立大教授・韓国学

 体調不良のせいか、思い出したくない子供の頃の記憶が蘇ってきたりします。小中学校に通っていた頃、クラスにユダヤ系の子供が私を含めて二人いましたが、たいてい次のような手口でいじめられていました。他の学生たちのいる公開の場所で力のあるロシア人の子供がやってきて、次のような言葉を歌うように投げかけたりしました。

Ну-ка, ……, не робей,
Признавайся, что еврей!
(よ、お前(名前)、もうためらうな、
ユダヤ人だということを自認せよ!)

 「自認」すれば、「お前たちはみんなけちん坊だろう?」から「お前たちがみんな祖国を裏切って西側に逃げ出そうとしてるだろう?」まで、あらゆる意地悪な質問(?)攻めに遭わなければならなかった。一方、「自認」せずにいれば、「この弱虫め、自分の民族的な素性を明かす勇気もないのか。出生証明書でも見せろよ!」といった言葉が返ってきたりしました。物理的暴力はそんなに動員されなかったとはいえ、数十人のロシア人、すなわちマジョリティの子供たちの前でこんな歌(?)を聞かされて、「私たちは裏切り者じゃない、逃げるつもりはないんだ」などといった自己弁解(?)をする方がおそらく物理的暴力よりも遥かに苦痛だったと思います。驚くことに、私は約5〜6年間もこんな目に合いながらも、「逃げるつもり」はまったくなかったのです。ただよくない(?)素性に対する天罰(?)のようなものと理解したような気がします。

 私にその歌(?)を再び思い出させたのは、統合進歩党のイ・サンギュ当選者の受けた侮辱に関する記事を読んだ時でした(http://www.mediatoday.co.kr/news/articleView.html? idxno=102681)。あるテレビ討論番組で彼は「北朝鮮の核武装などに対する意見をはっきり述べよ」といった思想検証(?)がなされたことを受け、陳重権(チン・ジュングォン)氏が「国民を代表する公職者なら、国民的疑念を持たれている思想についてすべてを明かさなければならない」と述べたりするなど、あたかも「お前は従北だろう?お前は金氏王朝のファンだろう? すべてを明かせ!」といった、あまりにも国民的な(?)雰囲気が作られてしまいました。それを目の当たりにし、私は子供の頃の経験までも思い出したりしたため、この「国民的な」類似宗教裁判に対し、自分なりの考えを語ってみたいと思います。

 一つ断っておかなければなりません。私はイ・サンギュ氏のことは知らないし、彼の属している統進党は結成当初から支持していないし、労働者の闘争と無縁の中産階層の政治団体だと思ってきました。イ・サンギュ氏の北朝鮮観に対して私はまったく知りませんが、私は北朝鮮の統治者たちの主体思想にはごく簡単な理由で反対します。私は「首領」の主導する「民族革命」ではなく、民族、国家の区別がない、下からの反資本主義的な世界革命を志向するからです。「民族」と「国家」に縛られた主体思想もそうですが、一般人民たちがたった今海外投資の誘致に狂った統治者たちを牽制しうるだけの民主的な手段も持ち合わせていない、あまりにも官僚的で保守化した北朝鮮社会もそうですが、私の目には最早反資本革命とはあまり縁がなさそうに見えます。ただし、その誕生過程においては反資本主義的な部分は確かに内在していましたし、その革命的な起源については私たちは大切にしなければならないと思います。とにかく、私はイ・サンギュ氏の支持者として彼を擁護しようとするのではなく、「お前はユダヤ人だろう?」/「お前は従北だろう?」のようなレベルの大衆的な政治文化に対して嘆いているわけです。従って以下の一つの単純な質問に対してみなさんのご意見を伺いたく存じます。

 イ・サンギュ氏などが左派民族主義者か否かは、彼らと関係のない私には分かることではないものの、かといって、「従北」と罵られている昔の「NL」のような左派民族主義は果たして大韓民国に広がっている様々なナショナリズムの中で最悪なものなのかという質問です。私たちの周りを注意深く見回してみると、私たちの間に(「我が民族/国民」を優先し、「我々」と「他者」の間の境界をはっきり認めるという意味においては)ナショナリストでない人は極めて珍しいのです。ほとんどいません。「国民的疑念」などと言いふらし、「国民」のような用語を愛用する陳重権教授を見てみましょう。先生のおっしゃる「国民」の中には「国民」たちにセクハラされ一生拭い切れない傷を負わされた韓国籍船舶のインドネシア系船員たちのような人々は入っていないのではないでしょうか。広東省東莞市のような輸出工業団地で韓国系企業の工場で死ぬほど働かされ、暴力や暴言に晒されながら僅かばかりの賃金しか受け取れない中国の民工たちも「国民」ではないのです。陳重権教授のような「国民的な論客」たちには韓国の「国民」という名で海外のあちこちで超人的な労働をしながらゆっくりと殺されつつある数百万人の他者たちは果たして「我が国民」同様に大事なのでしょうか。私はイ・サンギュ氏の思想についてよく分からないように、陳重権教授の本音もわかりません。ただし、私の接してきた彼の発言の中からはこれら「非国民」たちに対する関心はそんなに多くは示されていません。これが特殊な例でもなく、韓国の絶対多数の大衆的な知識人たちに、そして彼らの言説を消費する大多数の韓国国籍の人々にも当てはまります。特別な場合もありますが、「私たち」とそれ以外の世界を徹底的に区別して思考する「私たち」の絶対多数は -無意識的にでも- ナショナリストたちなのです。ナショナリストでない生き方を学んだことがないとは言ってもです。

 極端なナショナリストたちを除いても、韓国の平均的なナショナリストの世界観は果してどうでしょうか。彼らの世界は「私たち」が見習ったり(西欧)、「同盟」を結んだり(アメリカ)、早く追い越さなければならない「先進国」(日本)と、「私たち」が進出して資源を得たり、「私たち」の商品も売り付け、農村地域のための花嫁たちも買いうる「後進国」に二分されています。前者の理由で「私たち」のところにやってきた「ヒディンク」たちの「リーダーシップ」を「ベンチマーキング」し、「私たち」の企業の新しい戦略作りに利用しなければならないとすれば、後者に基づき売られてきた人々に「私たち」の服を着せ深くお辞儀をする「私たち」の美風良俗を教え、盆や正月の度にテレビカメラの前で「偉大なる大韓民国よ、気の毒な私たちを受け入れてくれてありがとうございます!」を要旨とする文句を語らせなければなりません。それとともに、「私たち」が「自動車、造船、半導体大国」であるのみならず「多文化社会」になったとことを前者を相手に適当に宣伝すればいいのです。最早、上国の代表者たちが「私たち」に向かって国連などで苦言を言わないようにです。かくも奇跡的なスピードで一等国になった「私たち」の平均的な北朝鮮観は?概して北朝鮮と「平和共存」しながら「気の毒な同胞」たちを中国以下の北東アジア最低賃金を支払いながらうまく搾取し、「私たち」の商品の競争力を高めなければならないという鳩派と、アカの残存勢力たちを早く清算し未回復の領土を早く取り戻さなければならないという鷹派に分かれています(その間の中間的な意見などもあります)。前者が北朝鮮を「私たち」の経済植民地にしようとするなら、後者は政治殖民化を志向します。以上のような世界観を一言でいえば、最も適切な評価は「亜流帝国主義の典型」といえるでしょう。

 以上のように、あらゆる他者を「ベンチマーキングの対象」か、それとも「奴隷」と見做そうとする社会においては、左派民族主義者たちは果してどこに位置しているのでしょうか。彼らが血統的に関係のある北朝鮮に主眼を置きながら、「私たち」と血統的に無縁な全世界における「私たち」の数え切れないほどの被害者たちのことをあまり気にしていないか、まったく気にしていないという点においては、明らかに「身内主義」という井の中に閉じこもっているといえるでしょう。ほかの絶対多数の「国民」たちとまったく同じようにです。一方、彼らが北朝鮮と対立している米帝に対する批判的な見方から、たとえば米帝の対外侵略(イラク、アフガン等々)における「私たち」の参加を少なくも一部においては反対したという意味では、反帝意識などの一種の普遍主義的な意識も完全に欠いてはいないのです。「我が民族の名誉と文化を守る」北朝鮮に対する擁護論的な態度は、多くの韓国人たちの血統主義や脱植民地的なコンプレックスと共鳴するところも少なくありませんが、西側の金融流入と商品輸出に命を掛ける「新自由主義の優等生」韓国では、実は極少数の立場にならざるをえないのです。実は個人競争/成功の新自由主義的な枠組みに閉じこめられた多くの韓国人には、家族と「全体」を優先する北朝鮮の人々とはほとんどエイリアン(?)ほど異質的であり、北朝鮮政権に対する擁護論的な見方も同じくらい異質的です。私が左派国際主義者として左派民族主義者たちを支持することなどないものの、彼らは今日の韓国で私の子供の頃のソ連におけるユダヤ人たちのように、間違いなく「攻撃される少数者」なのです。

 そのため、私は陳重権教授をはじめとする「思想検証」のあらゆる擁護者たちに聞きたいのです。私は自由主義者ではありませんが、自由主義者であるみなさんは本当に国家保安法の魔手にいつ引っかかるかもしれないマイノリティたちを「追い詰める」ことを楽しみたいとお思いでしょうか。むしろ彼らとの自由な討論を楽しむために、国家保安法撤廃闘争にあらゆる力を結集しなければならないのではないでしょうか。また、ナショナリズムが悪だというなら(私は根本的には悪だと思います)、「私たち」の多数による親企業的な、対外膨脹親和的な、極度に差別的で排他的な「国民主義」から先に批判的に分析し悪質な搾取者としての韓国国家と企業、差別の主体としての「私たち」多数の真相から暴いていかなければならないのではないでしょうか。ナショナリズムとの闘争は孤立した極少数との闘争ではなく、対国家、対企業闘争から始まらなければならないのではないでしょうか。

原文: http://blog.hani.co.kr/gategateparagate/49169 訳J.S

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