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尾崎紀世彦 急逝2カ月前”最後のライブ”で語っていた想い【尾崎紀世彦】


2012年06月06日 00:00
5月31日、『また逢う日まで』の大ヒットで知られる歌手の尾崎紀世彦さんが、肝臓がんなどのため、都内の病院で死去した。69歳だった。ここ数年はがん闘病が続き、昨年秋からは入院生活を送っていたという尾崎さん。一部週刊誌では、”失踪中”とも報道されていた。

しかし彼は、4月上旬にライブを行なっていた。実はこのライブ、友人や関係者たちが『末期がんで闘病中の尾崎さんを、少しでも明るい気持ちにしたい』という計らいで実現したものだったようだ。

「彼の病状は悪くなるいっぽうでした。そんなとき40年来の交流があるバンドがライブを行うことになった。だから『久しぶりだけど歌ってみたら? 気分が変わるかもよ』と激励の意味で提案したんです」(音楽関係者)

知人によると彼は「病状は決してよくはない。でも病気のことは、他人に言わないでほしい」と言っていたという。会場は、東京・荻窪にある小さなライブステージだった。彼は痩せ細った姿で『また逢う日まで』を含む3曲を歌い上げたが、これが最後のステージとなった。観客の一人はこう振り返る。

「尾崎さんは杖をつき、女性に手を借りながらやっとの思いでステージに立ちました。とてもやつれていて、病院を抜け出してきたのかと思うほどでした。でも尾崎さんは3曲を歌いきった。最後に彼は『3曲だけじゃ物足りない。まだステージは降りたくないんだよ』と言っていました。かつてのパワーはなかったけれど、心に響く歌でした」


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