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【奈良の警察官発砲付審判】天井見上げ、安堵の吐息 市民の判断は「正当な発砲」
市民を守るための発砲は行き過ぎた殺人だったのか。逃走車への警察官の発砲をめぐり、裁判員が下したのは「正当な職務」という判断だった。奈良県大和郡山市の警察官発砲事件で奈良地裁は28日、殺人などの罪に問われた奈良県警の警察官2人に全面無罪を言い渡した。主文が読み上げられた瞬間も2人はほとんど身じろぎしなかったが、席に戻ると天井を見上げ、安堵(あんど)の表情を見せた。
萩原基文警部補(35)と東芳弘巡査部長(35)は、それぞれダークスーツ姿で入廷。証言台に並んで立つと背筋をまっすぐに伸ばし、裁判員らに向き合った。
「両名はいずれも無罪」。主文を聞くと、それぞれ一礼して元の席へ。萩原警部補は目に涙をためて天井を見上げ、大きく息を吐いた。東巡査部長はこみ上げる感情を抑えるように、まっすぐ前を見据えた。
事件発生当時、逃走車に撃ち込まれた弾丸は計8発。2人が放った2発の銃弾が助手席に座っていた男性=当時(28)=に命中、致命傷となった。
車の窓ガラスには遮光フィルムが張られ、内部の様子はうかがえない。指定弁護士は興奮状態の2人が男性の安全に注意を払わなかったと述べ、「取り逃すことがあっても、撃つべきではなかった」とした。
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