原発事故を受け是から如何する?070818
1.新潟県の柏崎刈羽原発事故後、是から如何するかが問題となっている。
今回の最大の問題点は、活断層の上に原発が建てられていたという全く考えられないことが起きていた事である。ここには原発問題の幾つかの問題性が集中して現れている。
1-電力会社の事前調査のいい加減さ。また、どうせ大したことは起きないだろうという非常に無責任な楽観性がある。
2-地元住民の方は活断層のことを事前に知り、また電力会社に何度も働きかけをやっているのに全て無視するという非常識。官僚主義というか、非民主性。多くの地震学者の意見も無視。
3-事前にこれほど問題となりながらどうして国は活断層上の建設を認めてしまったのか。後になれば何でもいえるし、その当時は様々な言い分があったにせよ、結局誰が正しく・誰が間違っていたのか?国の審査機関の人選も含めた問題性が存在する。
1.今後は、国の審議機関の人選のやり直しも含め、根本的建て直しが必要だ。その上で、柏崎刈羽原発を廃炉にするかどうかも慎重に考えなければいけないと考える。
原発は当然、事故がほとんど起きないように設計されている。それは、実際に事故が起きたら大変なことになるからだ。事故を起こさない為の徹底した意識改革が求められる。
1.原発は必要である。それは、石油が涸渇していく中で自然エネルギーの開発がなかなか追いつかず、我々の生活水準を低下させない為にはまだまだ大きなエネルギーを必要とするからだ。到底少々の節電程度では間に合わない。
しかし、地震源の真上に立っているような危険な原発は止めていくしかない。今回の原発より更に危険なのが予想される東海地震域に立てられているもので、これも廃炉にするかどうか慎重な・新しい審議機関による審議が必要だ。
そして、地震国日本にはこれ以上原発は増やさないほうが良い。
1.ではどうやってわれわれ国民の生活水準の維持を可能にするか?
今日の日本とは、外国から原料を買ってきて加工し、輸出で稼いでいるのではない点が鍵だ。我々は国内で作るのではなく、中国・印度・ロシア等で何を作るかをプロデュースする事で稼がないといけない。
つまり、中国・印度等の地震が少ない(印度は地震のある地域とない地域がかなりはっきり分かれている)国への原発の輸出・もしくは原発製造技術の指導により、どんどん地震のない国へ原発を作らすのだ。地震国に原発を建てるのは根本的大間違いだ。そしてそこで工業を盛んにして製品を日本は買えばよいし・もしくはそこで作った製品を更に別の外国へ売ればよい。もしくは電力を買えばよい。または原発で水素を製造し、その水素を買えばよいのである。
ベトナムは地震が多い。一方、韓国・北朝鮮は地震がない。こういう地震のない国へ日本の安全な軽水炉の技術を売り込み、日本の原発を減らしていけばよい。
1.未だ完全に実用化されているわけではないが、熱で水から水素を作る技術はある。水素を燃やすと熱を出し水になる。だから逆に、水に熱を加えて水素と酸素にする事は可能だ。原発で(電気分解よりコストが安く)水素を作る技術はある。
また、送電の際の電圧を今より更に高くすれば、遠くから電線で電気を送る事も途中の電力消耗を少なくして実行することは可能だ。
1.つまりこれからは、地震の多い国に対して原発を売り込むのではなく、地震の少ない中国・韓国・北朝鮮等に対し、安全が今回の地震でも証明された日本の軽水炉をどんどん売り込み、しかもお家芸とも言える徹底したアフターサービスでよく面倒を見ながら、多くの電力を確実に安全に生産させていく戦略が重要なのだ。